これが「実家の片づけ」に悩む人の実態だ! きっかけ、年代、費用、期間・・・独自アンケートで判明

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有効回答数は811人。回答者の属性は男性83%、女性17%だった。「実家の片付けといえば女性の問題なのに、東洋経済さんで企画にするとは意外です」。今回の特集である取材先からかけられた言葉だ。ただ、一人っ子ならまだしも、男女のきょうだいがいた場合、女性は結婚して実家を名実ともに離れるケースが少なくない。調査対象に多少の偏りはあるかもしれないが、実家をめぐる問題はもちろん男性にとっての大きな悩みでもある。

アンケート回答者の年齢構成は20代4%、30代9%、40代18%、50代33%、60代以上36%。日本人の平均寿命が男性80.21歳、女性86.61歳(2013年、厚生労働省調べ)であることから、この前後で亡くなる人の子世代は50~60代が多く、実家問題に直面しやすい。親の介護で実家の片付けを迫られるケースを考えても、子世代自身が年齢を経るほどに直面する人が増えてくるという傾向が見て取れた。

「親の死去」がきっかけとなるケースが多い

アンケート回答者のうち、片付け・処分を実際に経験した人は540人。そのきっかけで最も多かったのが親の死去だ。片付け・処分の経験がないという回答者271人の中でも、片付けや売却を検討している人は3割近くもいた。

実家の片付けに要した期間で最も多かったのは3カ月未満が半分だが、1年以上の長期にわたる人も2割近い。「どこに何があるかわからない状態で片付けるので、手間がかかる」(50代男性、兵庫県)、「思い出にふけってしまい、なかなか進まない」(40代女性、東京都)などの声が寄せられた。費用はおよそ半分の人が30万円で納まっているが、100万円以上の高額な費用を投じなければならないケースもあるようだ。

誰にとっても大変な実家の片付けだが、数少ない救いの一つが「タンス預金」の存在だろうか。「多額の現金がタンスの奥にしまってあった」(60代男性、東京都)という声は少なくない。親世代はいざというときに備えて家の中に現金を隠していることがある。いわゆる「へそくり」だ。それも1カ所にまとまっているのではなく、あちこちに分散していることが多い。しまった本人が忘れてしまっていることもあるかもしれない。

アンケートではこのほか、実家の片付けや処分をめぐってさまざまな生の声が寄せられた。

「取っておきたいと思う気持ちと処分すべきという気持ちの中での葛藤が苦しかった」(50代女性、熊本県)

「古美術品の価値がわからず、どこに相談をして聞くべきか困った」(60代男性、島根県)

「新築から3年後に他人に貸して6年間で家中がボロボロになった。自分の家じゃないと管理がずさんになるのだと思った」(50代男性、兵庫県)

週刊東洋経済の特集では、12人の実体験を14ページにわたって詳細にリポート。それぞれが実家と格闘した「片付け」ストーリーは示唆に富んでいる。次はあなたの番かもしれない。

週刊東洋経済2014年8月23日号(8月18日発売)の特集は「実家の片づけ」です。
実際の片付けはいかなるものか、困難にどう対処したかを詳細にレポート。さらに親とのコミュニケーション術から知っておきたい相続知識、多くの空き家に直面する地域の取り組みまで、実家問題を総まくりしました。⇒詳しい目次・購入はこちらから
武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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