カローラの販売実績、知られざる車種別の内訳 ワゴンが最も売れているが併売の先代も根強い

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次に、8月の販売台数のなかでほぼ並ぶのが、カローラスポーツと4ドアセダンだ。カローラスポーツが960台であるのに対し、4ドアセダンは930台であった。こちらにもガソリンエンジン車とHVの選択肢があり、スポーツは70%近くがHVであるのに対し、4ドアセダンは約63%で、HVがどちらも上回るが、4ドアセダンはガソリンエンジン車もあまり差がなく選ばれている。

(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

4ドアセダンも、ツーリングと同様にグレードでは最上級のW×Bと次のグレードのSが、それぞれ23%で分け合っており全体的に上級車志向だ。また、ガソリンエンジン車では最廉価車種の次に位置づけられるSが、4ドアセダン全体で3番目の売れ筋であるという。4ドアセダンになると、上級志向だけでなく、実用的かつ経済的な視点も重視されてくるようだ。

カローラスポーツは、ツーリング同様に最上級志向がHVとガソリンエンジン車ともに強く、G“Z”や、特別仕様車のGスタイルパッケージで70%以上を占める。

内外装とも上級車に引けを取らなくなった

12代目カローラは、4ドアセダン、スポーツ、ツーリングそれぞれ最上級車種になると270万円以上の値をつけるので、全体的には高価な車種の売れ行きが良いのが見えてくる。3ナンバー化に伴い、内外装とも上級車格と引けを取らない品質を備えたことが効果を上げているはずだ。

(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

実際、かつてのHV専用車である「SAI」の所有者が、4ドアセダンのHVに買い替え、自宅駐車場に丁度おさまっていて、その佇まいはSAIからカローラに替えたといっても大衆車にしたというような貧相さを覚えさせない存在感がある。

5ナンバー車であることを支え続けるアクシオとフィールダーはどうだろう。

8月の販売のなかで、アクシオとフィールダーの比率は、全体の30%以上を占める。少なくない数といえるのではないか。

自販連の毎月の新車販売台数においても5ナンバー車人気が明らかなように、1966年に誕生して以来、55年ものあいだ日本の大衆車を牽引してきたカローラの存在意義が改めて実証されるようだ。2年前にカローラがフルモデルチェンジをしたにもかかわらず、トヨタがアクシオとフィールダーを併売し続ける意味がここにある。

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