カローラの販売実績、知られざる車種別の内訳 ワゴンが最も売れているが併売の先代も根強い

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輸入車では、ゴルフツーリングがずっと販売し続けられており、メルセデス・ベンツCクラスやBMW3シリーズ、プジョー308など、ステーションワゴンをなくすことはしていない。いまのSUV人気は理解できるが、高齢者や子供連れなどになると、車高の高さによる乗降性に難があるのがSUVだ。

同じ傾向は、前型カローラでもいえ、8月の販売のうち1330台がフィールダーだ。同じ前型の4ドアセダンであるアクシオとの比率は約6:4で、フィールダーが上回る。

(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

ツーリングやフィールダーには、ガソリンエンジン車とハイブリッド車(HV)の選択肢があり、ツーリングは圧倒的にHVが多い(ガソリン車の約4倍)が、フィールダーはほぼ半々で、若干HVが多めという程度の差でしかない。長らくフィールダーに乗ってきた人の乗り換えでは、ガソリンエンジン車で満足する人があったり、車両価格の点でガソリン車のほうが40万~50万円安かったりするので、グレードの選択肢も限られるフィールダーでは商用利用など予算の制約のある消費者もいるかもしれない。

ツーリングの45%が最上級グレード

ツーリングでHVが多い背景の一つに、売れ筋の車種の45%が最上級グレードとなるW×B(ダブルバイビー)であることが、装備の充実など含め上級車志向の消費者が求めているといえそうだ。

12代目カローラは、4ドアセダンもツーリングも、外観の造形のよさが発売当時から評判で、大衆車として誕生したカローラの印象を払拭した。実はそもそも初代も、開発責任者の80点+アルファという狙いから、白い車体外装色に赤の室内色といった洒落た側面も備えていた。それでも、日産自動車「サニー」を含め多くの消費者がより手に入れやすい大衆車との位置づけにより、外観や内装にあまりこだわらない愛用者もあっただろう。しかし、いよいよ3ナンバー車となるに際し、内外装とも一気に上級志向化したのが現在のカローラだ。

したがって、同じステーションワゴンのツーリングとフィールダーを比べても、顧客層が違うとみていい。

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