JR西の長距離列車「銀河」、残る課題は客層の拡大 紀南の新ルートは人気だが、女性客が少ない

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熊野灘や岩礁の海岸を見ながら紀勢本線の南端から北上するウエストエクスプレス銀河。時刻は朝8時15分で次の停車駅は紀伊勝浦(古座ー紀伊田原間、写真:山井美希)
鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2021年11月号「WEST EXPRESS 銀河 紀南運行」を再構成した記事を掲載します。

「WEST EXPRESS(ウエストエクスプレス)銀河」は多様性・カジュアル・くつろぎをキーワードに、クルーズトレインでも従来の新幹線や特急列車でもない列車としてJR西日本が生み出した「新しい長距離列車」だ。

2020年9月11日に京都・大阪ー出雲市間の山陰運行で運転開始(本来は5月予定だったが、新型コロナの影響で延期されていた)し、3カ月後の12月からはデスティネーションキャンペーンにリンクした京都ー下関間の山陽運行、続いて2021年3月からは再び出雲への運行を重ねた。そのウエストエクスプレス銀河は現在、7月16日から12月22日まで、「紀南運行」と称して初めて紀勢本線に入り、京都ー新宮間を運行している。

新コースで競争倍率は再び13倍に

京都発は月曜日と金曜日の夜21時15分発、新宮9時37分着の夜行、新宮発は水曜日と日曜日の日中12時00発、京都22時24分着の昼行で、所要時間は約12時間と約10時間。基本的に週2往復だが運転しない日もあり、期間中上下計84本が計画されている。

新型コロナの状況下で旅行商品としてのみ販売され、日本旅行が一括して扱っている。1列車あたりの乗車可能人員も、昼行101人、夜行89人の定員に対して密を避けるためにほぼ半減の54人とされている。

そのためもあり、運転開始当初の山陰運行は約17倍の競争倍率となり、次の山陽運行や2回目山陰運行はやや落ち着いたが、それでも約9倍と約5倍であり、今回の紀南運行は新コースとあって立ち上がりの7月は再び約13倍に跳ね上がった。その後の8・9月分は約8倍であった。

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