ディカプリオ激似の俳優が明かした「人生最高の体験」 日本人のツアー客にサインをねだられたことも
17年には現代アートフェア「フリーズ・ニューヨーク」でのパフォーマンス作品に出演した。映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の一場面を再現する試みだ。
私はディカプリオが演じたやり手証券ブローカーのジョーダン・ベルフォートに扮して会場で待機している。
そして、いきなりマイクを手にし、映画の中でベルフォートが自社のトレーダーたちを奮起させるためにぶった演説を始める。通り掛かった来場者たちは最初何が始まったか分からずポカンとしているが、やがて映画のあのシーンだと気付いて演説に聞き入る。
そのうちに大勢の人だかりができて、見物人がみんな映画の中のトレーダーになり切り、演説が終わると、ベルフォートの熱弁に心動かされたとばかり拍手喝采してくれる。
来場者を巻き込んで映画の名場面を即興で再現するというシュールな試みで、実に面白かった。
空港で日本人女性に囲まれて
ディカプリオはカリフォルニア州パームスプリングスに広壮な邸宅を構えている。彼がそこで過ごすのはおそらく年に数週間程度。残りの時期は管理会社が企業や個人に貸している。希望があれば、私が呼ばれ、ディカプリオなり、彼が映画『華麗なるギャツビー』で演じたジェイ・ギャツビーに扮して滞在客を迎え、敷地内を案内する。
そっくりさんと分かっていても、レオ様に会った気分になるだけで、お客はとても興奮する。私はディカプリオになり切って誠実な対応を心掛ける。女性たちは私を質問攻めにし、私と並んで自撮り写真に収まり、「レオ様に夢中なの」「レオ様は初恋の相手」などと熱っぽく語り掛ける。
もっとも、彼女たちは節度を心得ている。「ごめんなさい。私には妻がいるので」などと断わらざるを得ないような厄介事はまず起きない。
あるとき休暇旅行でイスタンブール空港にいたら日本人のツアー客に囲まれ、女性たちにサインをねだられた。本物ではないと説明したが、言葉が通じないらしく諦めてくれない。やむなく自分の名前をサインして回り、そそくさとその場を後にした。