フジテレビ、愛国報道の「異様な光景」 ジャパンエキスポは排他的なイベントではない

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とはいえ、このような反論が予想される。ジャパンエキスポは「ごあいさつ」として、ホームページ上で次のようにイベントの目的をうたっているからだ。「日本のエンタティメントを世界に。伝統と現代が共存し世界中の人々を魅了する日本。21世紀のグローバル社会だからこそ日本のいま最も旬の日本エンタティメ ント、そして伝統文化・ハイテクノロジーを擁する日本の姿をいち早くフランス、ヨーロッパ、そして世界に伝えたい。それが私たちの願いです」。

あくまで、日本文化を紹介するイベントと宣言している。そこに韓国のK-POPが入りこむ余地などない、という反論だ。

2011年のコカ・コーラのブース(もちろん米国文化)

しかし、この「ごあいさつ」が建て前であることは現地に行けばわかる。会場では故メビウスことジャン・ジローをはじめ、多くのフランスのバンド・デシネ(BD、フランスの漫画)作家がサイン会やトークショーを行っている。ジャパンエキスポだから日本以外のものは排除しろと言うのであれば、これらも排除しろと言わなければ公平ではない。しかし、フジテレビの番組が問題視しているのは、あくまで韓国の物品を販売しているブースだ。

もともとフランス漫画のイベントだった

違和感は、そもそものジャパンエキスポの成り立ちを踏まえていないことにもある。ジャパンエキスポとは、それ以前に行われていた「BD(バンド・デシネ)エキスポ」の流れを組むイベントだ。BDエキスポが経済的な内紛のために空中分解し、その後に始まったのがジャパンエキスポである。

BDエキスポは、その名の通り、バンド・デシエネのイベント。当初はBDやアメコミが主流だったが、日本のマンガに関するブースが増えていき、最後の頃では半分以上がマンガやアニメ関連の出展になっていた。そこでは、コスプレ大会やカラオケ大会も行われるようになっており、BD関連の出展者からは「BDのイベントだからマンガやアニメなど日本関連の出展を締め出せ」との声が強くなっていた。筆者はまさにその現場にいた。

このような排他的な主張に対し、マンガ関連の出展者や参加者は強く反発した。この経緯を知っている者は、決してジャパンエキスポを排他的なイベントにしようとは思わないはずだ。

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