新型コロナ感染率「血液型で異なる」科学的根拠

なぜ「O型は重症化しづらい」と言われるのか

同様の報告は他にもされています。それらをまとめてみれば、「O型は他の血液型と比べて感染率も重症化率も低く、反対に、A型とAB型は高い傾向がある」とわかります。

なぜ、血液型によって違いが見られるのでしょうか。理由については、まだ明らかになっておらず、さらなる調査が待たれるところです。

1つ可能性として考えらえているのが、「ACE2(アンジオテンシン変換酵素2)」という、人の体内にあるたんぱく質の関与です。新型コロナは、ACE2という受容体を足がかりにして、人の細胞内に入り込み、増殖します。新型コロナ感染で肺炎が起こりやすいのは、ACE2が肺の細胞に多くあるためです。

つまり、新型コロナとACE2が結合しなければ、感染は成立しないことになります。O型とB型の人は、「抗A抗体」というたんぱく質を血液中に持ちます。この抗A抗体が、新型コロナとACE2の結合をある程度邪魔する働きがあるのではないか、とわかってきました。

O型は「血栓」ができにくい

もう1つ、O型の人の重症化率が低い理由として考えられるのは、O型は他の血液型より血栓(血の塊)ができにくいことです。

O型の人は「フォン・ヴィレブランド因子」が他の血液型より3割ほど少ないと知られています。フォン・ヴィレブランド因子とは、血液を固めて止める血液凝固因子のこと。これが少ないということは、血栓(血の塊)が血液中にできにくいことを示します。血栓は脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓などを引き起こします。

新型コロナ感染症では、これらの血栓症が起こる頻度が高くなっています。O型は、フォン・ヴィレブランド因子が少ないことで、他の血液型よりも血栓症を起こしにくい。それがO型の重症化率をある程度抑えているのではないか、と考えられるのです。

生まれ持った免疫力も、血液型によって違ってくると考えられます。

免疫とは、ご存じのとおり、感染症などの病気を防ぎ、治す働きのこと。
その力が強ければ、新型コロナ感染を防ぐ力も高まります。感染しても重症化を抑えるのも免疫の働きです。よって、感染と重症化の予防には、免疫力を日頃から高めておくことが、何よりも大切です。

免疫の働きは、複数の免疫細胞や組織の連携によって形成されていて、その一つに「抗体」があります。抗体は、体内に起こった「異物」に特異的にくっついて破壊するたんぱく質のことです。

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