白血病治療と娘の中学受験が重なった母の大奮闘 必要なのは家庭教師ではなく「コンサルタント」
2018年〜2019年春までは、クライアントの成績動向と苦手分野の分析を行い、大きな穴なく4教科仕上がるようにモニタリングする。同時進行で学校の情報収集を行い、具体的な志望校絞り込み作業を進める。
チームメンバーコンサルタントとしては、月次テストや模試を軸に、学習計画立案・学習モニタリング・結果のチェックおよび次回への改善提案とPDCAを回す。通常は、マネージャーとチームメンバーコンサルタントは別の人間が担当する。が、当時私は二役をこなしていたので、俯瞰的な目をもてずマネージャーによるレビュー機能がうまく働かないこともあった。
山あり谷ありの中学受験を乗り越えてつかんだ合格
さらに厄介なのは、このクライアントが一筋縄ではいかない相手ということだった。合意したことをすべてやらない(やれない)、機嫌がしばしば悪くなる、日中は学校に時間をとられて忙しい。また、体力がないのでエネルギー切れをよく起こす。
伴走コンサルタントは、クライアントの体調管理やストレスマネジメントも求められ、息抜きのためのエンターテインメントも提案しなければならない……。
長女のストレス解消法は、仲良しのお友だちと放課後や週末に遊ぶことだったので、いわゆるプレイデートのセッティングが重要なタスクだった。
こんなことをしてくれる家庭教師はいない。いや、家庭教師にプロジェクトマネージャーと伴走コンサルタントを頼めると思うほうが間違っている。
「早く退院するしかないな……」。そう思いながら、退院までの日を指折り数える日々を過ごしていた。
晴れて4月に退院したが、その後の中学受験への道のりは平坦ではなかった。母親が大病しても、受験勉強には奇跡なんて起きない。
退院後はS塾と個別指導を活用しながら、私がプロジェクトマネージャーと伴走コンサルタントをする日々を続けた。春に一度持ち直した成績は、夏直前に再び大きな谷に陥った。夏休みは叱咤激励の毎日だったが、辛い夏を乗り越えたら秋以降はずっと上がり調子で最後まで走り切れた。これは母親が入院して大変な日々を5年生の夏から1年過ごしてきた彼女にとって、大きなプレゼントだったと思う。
そして迎えた2020年2月。
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