狭小住宅に移り住んだ人たちが語る「本当の幸せ」 でかい家に住むだけが充実した生活ではない

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実際に、2018年の調査では、タイニーハウスを購入した人のうち6割が、クレジットカード負債がゼロで、また、ローンなしでタイニーハウスを購入した所有者が68%だったという。また、全米ホームビルダー協会の2018年の調査では、アメリカ人の半数以上がタイニーハウスに住むことを考慮していると答え、ミレニアル世代に限るとその数は6割と高い。

看護師の資格を取るために大学に通う社会人学生の住民は、「寮費が高額な大学寮で数年暮らすより、タイニーハウスを買って土地のロット賃料を払って住む方が安いし、キッチンつきで独り暮らしのプライベート空間を持てる利点は大きい」と入居理由を語っている。

豪華な車より、温かい関係が欲しかった

土地賃料を比較的低く設定しているため賃料収入は大きくないが、マネーさんは管理の仕事のほかにも敷地内にレンタル用のタイニーハウス13戸を所有し、観光客が宿泊できる「タイニー・ホテル事業」を展開している。

マネーさんが手作りしたタイニーハウス「ベニス」。1泊100ドルで宿泊可能(写真:マネーさん提供)

宿泊料は1泊100ドルほど。タイニーハウスで暮らしてみたいが、まずは泊まって実体験してみたいという人が多く、パンデミック中でも宿泊客が途切れることは1年中なかったそうだ。ディズニーやユニバーサルのテーマパークに近い立地のため、パンデミック以前は日本人観光客の宿泊者も多かったという。

かつて、アメリカンドリームと言えば、白い柵のある、大きなガレージつきの一軒家を買うことだった時代もあるが、マネーさんはこう言う。

「近所の人と張り合って、豪華な家、豪華な車を買って見せびらかすライフスタイルが行き着くのは、借金でがんじがらめになったしんどい人生。自分はそういうタイプではないと、幼い頃からわかっていた。使わない部屋がたくさんある豪華な家も、最新の車も欲しいと思ったことがない。

そのかわり、近所の人とパーティーをしたり助け合ったりする温かい関係の方が欲しかった。 タイニーハウスはひとつのムーブメント。住民たちと自然の中で、経済的不安なく仲良く暮らす方が、自分には合っている」

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