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抗体カクテル療法「発症7日後」投与した彼の病状 変異株にも対応できる専用薬の効果と普及の課題

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この抗体カクテル療法を普及させるにあたっては、課題も多い。

その1つが、供給量の問題だ。菅首相は記者会見で「必要な数量はしっかりと確保できている」と話したが、宮坂さんによると、実際は現段階では7万人分しか用意がない。今後20万人まで供給される見込みだというが、それでも今の感染者の増加を踏まえると十分な量ではない。

そのため、上記の緊急提言では、当面は50歳以上と、重症化リスク因子(肥満、高血圧、糖尿病、慢性肺疾患、喫煙など)を持つ人を治療の対象とした。

「供給量が増えれば、40代以上に引き下げてほしい」

もともと感染して治った人の免疫細胞から作られている

もう1つ。多くの人が不安に思うのが、副作用だろう。それほど効くのであればきっと副作用も強いのではと考えるのも無理はない。これについてはどうか。

「副作用については、抗体カクテル療法で使われている抗体は、もともと新型コロナに感染して治った人の免疫細胞から作られたもの、つまり自然の産物を利用しています。臨床試験でも安全性は確認されています」

そもそも抗体を使った治療は、がんや自己免疫疾患のリウマチなどでもずいぶん前から行われている。副作用が大きな問題になっていれば、こうした薬自体も使えなくなっているはずだが、現在も有効な治療法として、抗体薬が投与されているがん患者、リウマチ患者は多い。

「薬なので副作用は多かれ少なかれあります。しかし、それが重篤なことにつながるようなことはあまり考えられません」

宮坂さんが考える抗体カクテル療法の最大の強みは、「アップデートが可能」という点だ。なかに入れる抗体の種類を変えれば、いくらでも新規の変異株に対応することができ、すでに多種類の抗体が準備されている。これはこれまでの薬ではできなかったことだ。

「まさに、変異が激しい新型コロナに対応する、新しいタイプの薬といえるでしょう。もちろん、抗体カクテル療法は車でいうところの片輪でしかない。もう片輪はやはりワクチンです。両方の車輪が充実してこそ、新型コロナに立ち向かえるのだと思います」

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