データが裏付ける「ジープ」ユーザーの深い愛情 198名のレネゲード&ラングラー購入者を分析

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大きな買い物である自動車は、その車種の性格により「購入の決定権」を持つ人が異なる。そこでそのスコアを見てみると、ラングラーのみ「すべて自分1人の考えで決めた」が50%近くと高い。

このスコアは、以前の記事で紹介したスバル「レヴォーグ」やスズキ「ジムニー」などと同水準の高さである。それぞれの車種の個性はまったく違うが、「すべて自分1人の考えで決めた」の多さは、こだわりを持ったユーザーに愛されている、という点で共通している。

次に「この時期に購入した理由」のスコアを見ていこう。注目すべきは「前の車の車検時期が来た」よりも、「自分の個性にあった車を持ちたくなった」が多い点である。

一般に、車を生活の移動手段として考えた場合、代替えサイクルは2年ごと(初回は3年)に訪れる車検が1つの区切りとなるケースが多い。

一方で、ジープのように個性や趣味性が強い車種は、車検のサイクルをあまり気にすることなく、「欲しくなったから買う」という傾向が出やすい。実際、「新しい車を買って気分を一新したくなった」のスコアも高いことから、「自分を表現する車」「所有欲を満たす車」であることが読み取れる。

ジープが持つ「パワー」

では、ジープの購入に至った理由はなんだろうか。購入のきっかけを見ていくと「実車の持つパワー」の大きさがわかる。

「購入しようと考えたきっかけ」を複数回答で聞いた質問では、「ショールーム・展示場で車を見て」「街を走っている車を見て」といった、“実車を見たこと”が多くの人の購入のきっかけとなったことがわかった。

ジープは、その特徴的な外観やブランドアイデンティティから、ひと目でジープだとわかる強さを持つ。車に興味のない人が見ても、他メーカー車とは異なる印象を受けるものだ。

こうした他車と一線を画する特徴から、「一味違う車に乗りたい」といったニーズも取り込めている。そして、その点については、購入時に前提にしていた条件にも表われている。

同じく複数回答の設問で聴取したところ、「街中であまり見かけない」を選択した割合はラングラー:23%、レネゲード:22%、グランドチェロキー:38%、コンパス:33%だった。

「街中であまり見かけない」の割合がもっとも高かった「グランドチェロキー」(写真:FCAジャパン)

参考までに、ジープと同様に外観デザインに大きな特徴を持ち、唯一無二の存在と言えるスズキ ジムニーは、わずか9%(ジムニーシエラは4%)と低い。

ジープもジムニーも、こだわりの強いユーザーに選ばれている点では共通するが、こういった細部の違いからユーザーのキャラクターが垣間見える。

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