トヨタ、足元は過去最高益でも浮かれず 迫る独VWの影、世界一の座は盤石と言えない

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いや、すでに首位はVW、という見方もできる。

4~6月のグローバル販売では、トヨタの251万3000台に対して、VWは262万3000台。米ゼネラル・モーターズ(GM)も250万5000台と、トヨタとほぼ並んでいる。

実は2013年も4~6月では、VWがトヨタを上回っていた。これは1~3月に需要が集中し、4~6月が閑散期となる日本市場での両社の販売量に、違いがあるため。4~6月だけの順位にそれほど意味はないかもしれないが、トヨタの世界一の座が揺らいでいることは確かである。

今は先行投資で足場を固めるとき

それでも小西工己・常務役員は、「順位は結果。1台1台いいモノを作っていくだけ。順位についてはそれほど深刻に考えているわけではない」と、言い切っている。

周囲の評価や外野の声に惑わされず、わが道を行くトヨタの姿勢は、恐らく間違いではない。2000年代前半に無理をして成長を追い求めた結果、リーマン・ショックで大ケガをしたからだ。

もちろん、本音のところで成長や世界一を全く重視していないかといえば、そんなことはないだろう。今は投資期と割り切っているが、そう遠くない将来にはアクセルを踏み込むはずだ。

山田 雄大 東洋経済 コラムニスト

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やまだ たけひろ / Takehiro Yamada

1971年生まれ。1994年、上智大学経済学部卒、東洋経済新報社入社。『週刊東洋経済』編集部に在籍したこともあるが、記者生活の大半は業界担当の現場記者。情報通信やインターネット、電機、自動車、鉄鋼業界などを担当。日本証券アナリスト協会検定会員。2006年には同期の山田雄一郎記者との共著『トリックスター 「村上ファンド」4444億円の闇』(東洋経済新報社)を著す。社内に山田姓が多いため「たけひろ」ではなく「ゆうだい」と呼ばれる。

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