トヨタ、足元は過去最高益でも浮かれず 迫る独VWの影、世界一の座は盤石と言えない

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一方、通期の世界販売(連結、年度ベース)は910万台で、グローバル販売(中国など含む、年度ベース)は1025万台という計画は、従来通りで変更なしだった。

地域別で見ると、北米、欧州を引き上げる一方、アジアを下方修正した。日本は「徐々に回復しているが、7月の軽自動車は前年割れ。まだ判断は早い」(佐々木常務)と、従来の221万台(トヨタ・レクサス車では145万台)の計画を据え置いた。

ただし、1~12月の暦年ベースでは、グローバル販売を1022万台と、今年1月時点の計画から11万台引き下げた。国内販売を8万台上方修正する反面、海外販売を19万台下方修正。トヨタ・レクサスの国内販売(ダイハツ工業からの軽自動車OEMを含む)は155万台と5万台上方修正している。

上期はVWをかわし、僅差で世界一だが

トヨタは2014年3月期にグローバル販売台数1013万台と、自動車メーカーで初めて1000万台を突破。2015年3月期も大台を維持する。もっとも、販売台数世界一の座を維持できるかは、まだわからない。

というのも、2014年1~6月期のトヨタのグローバル販売台数は509万7000台で、2位の独フォルクスワーゲン(VW)が、506万6000台まで迫っているからだ。世界最大の中国市場で約27万台増やしたVWが、前年同期には18万4000台あったトヨタとの差を、わずか2万1000台まで縮めたのである。

今のVWの勢いを考えると、2014年中、もしくは2015年3月期中にも、世界最大の自動車メーカーの称号は、VWに奪われる可能性も、ないとは言えない。

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