バンダイ、「妖怪ウォッチ」で泣き笑い? 空前のヒットで第1四半期は過去最高益となったが

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現在、バンダイは関連グッズを160アイテム扱うが、主力はメダルとウォッチに絞り込んでいる。年末商戦にかけて大型新製品が出てくる可能性も高く、その分が上乗せされるとさらなる伸びが期待できそうだ。ただし「妖怪ウォッチを息の長い大事なIP(知的財産)にしたい。だから商品をかなり厳選しており、アイテムを増やせばいいとは考えていない」(石川祝男社長)。

妖怪ウォッチブームも痛しかゆし?

ただ同社にとって、妖怪ウォッチの一大ブームは手放しで喜べない側面もある。妖怪ウォッチに人気が集中しすぎると、そのシワ寄せは自社IPの「ガンダム」「仮面ライダー」「アイカツ」といった関連グッズと競合するおそれがあるためだ。

実は第1四半期時点での好業績の牽引役となっていたのは、他社のIPである妖怪ウォッチよりも、採算性の高いガンダムや仮面ライダー、アイカツの関連グッズである。足元は自社IPが総じて好調なところへ妖怪ウォッチが上乗せされている状態だが、妖怪ウォッチ人気が行き過ぎると、自社のコンテンツが食われかねない。

決算会見では、あるアナリストが「ガンダムが好調なのは、新たな需要を生み出しているからなのか」と質問した場面があった。これに対して浅古本部長は、「鋭いですね。ガンダムのプラモデルは堅調に伸びている。これからもチャレンジするが、いわゆるガンプラを親子で作る人が増えるなど、嬉しいことに新たな層が確実に増えて業績全体を押し上げている」と声を弾ませながら答えた。

国内玩具最大手の同社にとって、妖怪ウォッチのブームを関連グッズで支える一方、自社で長年育ててきた大切なキャラクタービジネスも盛り上げていく必要がある。しばらくは慎重な舵取りが必要だ。

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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