24時間テレビがダウンタウンに与えた大きな影響

その後、文筆業やドラマなど活躍の場が広がる

ダウンタウンをメインパーソナリティに起用したのも、そうしたエンタメ路線の一環だったのは間違いない。ただし、ダウンタウンを起用することに危惧する声も少なくなかった。過激なトークや、ときに暴力的とすら受け取られかねない彼らのコントは、チャリティという趣旨からほど遠いものと思えたからである。

例えば、『24時間テレビ』の出演者のギャラをめぐる話は、この番組がチャリティを前面に押し出しているだけにタブー視されていたが、ダウンタウンの2人は、『24時間テレビ』の直前に放送された『ガキ使』のトークで、そのことをネタにしてもいた。

本番を迎えても、そんな2人の姿勢は変わらなかった。番組開始早々のトークでも、「おい、もう番組始まってもうたぞ」と浜田が振ると、松本が「いや~、眠たいね」と返し、浜田が「いきなりかい!」とツッコむ。「寝ないで頑張る」ことが美徳になっていた『24時間テレビ』を皮肉ってみせたのである。お笑いが中心となる深夜の時間帯では、低温花火や電気のこぎりを人に向ける場面があり、視聴者から抗議が殺到した。

ダウンタウンの2人が涙をこらえる場面も

とはいえ2人は、感動することをはなから拒んでいたわけではない。番組も佳境を迎えた頃、ダウンタウンも歌うように促された。その時、ある視聴者からのファクスが読み上げられた。娘がダウンタウンのファンで『24時間テレビ』を見ていたら、映し出されたカンボジアの子どもたちの姿に涙を浮かべていたという内容だった。それを聞いていた浜田の目には涙がにじみ、それにつられないよう松本が必死にこらえている表情が映し出されたのである。

この年の平均視聴率は17・2%で、前年から飛躍的に上がり、番組史上最高の数字を記録した(その後、2005年にこの記録は破られる)。この成功を受けて、歌とマラソンという二本柱は、その後の『24時間テレビ』に受け継がれていった。

この番組への出演は、ダウンタウンの2人にとっても、ファン層の拡大という点で大きな出来事となった。日本テレビの菅賢治は、次のように振り返る。「あの番組をきっかけに、ダウンタウンはすべての年齢層に浸透していった感じがする。『ガキの使い』の視聴者も、かなり広がりましたね」(伊藤愛子『ダウンタウンの理由。』集英社、1997年)。

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