異例のヒット!ネコの「ひげケース」誕生の裏側 愛猫家を夢中にさせる商品はどう生まれた?

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空前のネコブームの中、猫好きならではの視点から生まれたヒット商品も。開発者たちに誕生秘話を聞きました(写真:ramustagram/PIXTA)
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ひげを入れるケース、キャットフードを再現した人間用のお菓子――。空前のネコブームの中、多くの関連グッズが発売されましたが、中には猫好きならではの視点から生まれたヒット商品もあります。AERA 2021年8月2日号は、開発者たちに誕生秘話を聞きました。

ネコを愛する開発担当者が発案

ネコのひげ。まっすぐの子がいれば、太い子、丸まった子、カーブした子も……。雑貨チェーンの3COINS(スリーコインズ)が開発したネコの「ひげケース」がヒットしている。昨秋発売したところ、1カ月で4千個の予定が1週間で完売した。今や定番商品に育った。

「ひげを集めるなんて、私だけの気持ち悪い楽しみだと思っていました」

当記事は、AERA dot.の提供記事です

そう話すのは、運営会社パルの小早川沙織さん(31)。今は亡き愛猫クルーシーを飼っていたころ。ある日、細長いものが床に落ちているのを見つけた。

「ひげって抜けるんだ。拾えてラッキー。とっておこう」

そこで、クルーシーが登らない高い棚の上に集め始めた。抜けた毛玉や脱皮した爪も一緒に缶の空き箱に入れた。だが、5年後、クルーシーは小早川さんの腕の中で息を引き取った。持病だった。ひたすら泣いた。

そんなときに開けたのが、あの缶だった。クルーシーのひげは長くてまっすぐで、白かった。毛玉は柔らかく、干した布団のにおいがした。なでたとき、こんなしぐさをしてくれたな。一緒に病院に行ったな。そう思って、缶を抱きしめて寝た。

「写真を見ても思い出すのは撮ったときのこと。ひげや毛玉はクルーシーそのもので形見なので、一緒に過ごした時間を思います」(小早川さん)

クルーシーの死後1年余り。商品開発の担当になった。初めての企画会議で、ひげを保存する専用ケースを提案した。

「調べてみると、ひげを集める人は結構いました。セロハンテープで柱に貼ったり、ポリ袋に入れたり。手軽な入れ物があるといいなと思いました」(同)

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