「雑談上手な人」にすぐなれる簡単な「2つの心得」 コロナ禍で「人との会話」に悩む人が増えている

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本来、メールなどの確認文書も、発信者①→受信者②→発信者③→受信者で完結します。

発①「○○の件、お願いできますか?」
受②「はい。できます」
発③「ありがとうございます。お願いします」

としたいところですが、日常的なやりとりでは、ひとつ前の受信者②で終わってしまうことが多いのではないでしょうか。それでは相互理解とは呼べません。こちらから発信したら、受け止めて返すまでが最低でも必要です。うなずくだけではなく、それに対しての反応を返すことが大切です。例えば、

A「この前、久しぶりに料理したんです。○○さんも料理されますか?」
B「ええ、休みの日はよくしますよ」
A「そうですか。私がこの前作った焼きそば、家族に好評で、たまにはいいなと思いましたよ」

このパターンは、非常に多いと思います。質問しておいて、自分の話を続けるのは、相手は基本的にいい気持ちはしません。この場合、「よくなさるんですね。何を作られるのですか?」と、もう一度相手に返すことが大切です。そうすると、「市販のルーを使わないカレーとかが得意です」と言った具合に、相手が話を始めてくれて、カレーの話題で盛り上がるかもしれません。会話は、最低一往復半を意識してください。

また、キャッチボールが大切です。まずは、相手の応答をしっかり受け止めてから、次の話題を振るようにしましょう。くれぐれも打ち返すラリーにならないように心がけたいですね。

「聞き手」に回る

そもそも、雑談をするのが得意でなければ、話のきっかけ作りさえできればよく、後は相手に主導権を持ってもらうのが楽です。そのためには聞き手に回りましょう。しかし、相手が話してくれなかったら? という心配があるかもしれません。前段で述べたように、相手の応答をしっかりと受け止めれば、基本的には会話は続きます。会話が続かないと思う方は、相手の答えに対して、具体的に言葉で応答しているかを振り返ってみてください。

20年以上、人の話を聞く仕事をしていますが、例えば「何も話すことはない」と嫌々カウンセリングルームを訪れた方でも、今まで話をされなったケースは1つもありません。「おそらく何も話さないと思いますが、よろしく」と上司から引継ぎを受けるような案件でさえ、実際には饒舌に話されることも珍しくありません。日常会話でも、普段、寡黙と思われている人が、話し出すと止まらないということも多々あります。

用件のみの会話ではなく、プラスαの雑談ができることで、気持ちのゆとりが生まれたり、新しい着眼点が生まれます。

会話の内容にこだわらず、心地よいやり取りをすることを目的として、自分を大きく見せたり、よく見せようとせずに、自然体で関われるとよいですね。

ただ、どんな内容であっても、プライバシーに踏み込みすぎず、相手に配慮するマナーも大切です。なれなれしいことがよいことでは決してありませんので、適度な距離感を保ちましょう。

雑談に対しての抵抗がなくなれば、相手の思わぬ背景を聞くことができたり、意気投合できる共通の話題が見つかるかもしれません。

豊かな関係性を築く一助となれば幸いです。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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