誤解されたイノベーションの本当の意味とは 新結合を生み出す「4つの組み合わせ」を考える
潜在ニーズに既存シーズを組み合わせると、新規の価値あるソリューションが生まれる可能性がある。その代表例が先ほどのiPhoneである。
スティーブ・ジョブズを悪く言う一部の人は、よく「彼は何も新しいものを生み出していない。当時すでにあった技術を組み合わせて作ったにすぎない」と言うが、その「新結合」こそイノベーションの定義そのものである。このような意見が出されること自体、イノベーション=技術革新と勘違いしている証左と言えるかもしれない。
さらに、潜在ニーズに新規シーズを組み合わせれば、新規の価値あるソリューションが生まれる可能性は当然高くなる 。
新結合を起こす4つの組み合わせ
このように、イノベーションを起こす新規の価値あるソリューションとなり得るのは、以下の4つであることがわかる。
②顕在ニーズと新規シーズの「新しい」組み合わせ
③潜在ニーズと既存シーズの「新しい」組み合わせ
④潜在ニーズと新規シーズの「新しい」組み合わせ
いわゆる発明(Invention)と言われるのは、上の②や④の新規シーズにあたる。すなわち、イノベーションと発明の関係は、「発明があると新結合を作りやすいのでイノベーションを起こしやすいが、イノベーションを起こすために必ずしも発明が必要なわけではない」という関係である。
イノベーションは技術革新とイコールではないというのも、これらの関係を見れば理解できよう。
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