大谷翔平への無責任な「差別発言」から学べること 黒人コメンテーターが犯してしまった間違い

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つまり、従来のアメリカは白人至上主義的で非白人を差別する価値観や考え方に偏っている傾向がある。そのため人々は意識的に、または無意識的に、この思考に陥らないよう注意を払わなければならない。従来の価値観を持った人たちはより注意深く自分たちの習慣を見直す必要がある。

疎外された集団は、他集団に対抗しがち

そして最後に、これが最も重要な点かもしれないが、私たちはつねに嫉妬心が、人種差別的な愚かな行いにつながっていないか注意しなければいけない。スミスの見当違いの言葉が嫉妬心によるものだったかは断言できないが、もしそうだったとしても不思議ではない。

疎外された集団(今回の件で言えばアメリカにおける黒人)は、知らずにほかの疎外された集団(今回の件で言えば大谷というアジア人選手)に対抗しようとする。黒人はアジア人に対抗する。黒人女性は白人女性に対抗する。すべての争いは関連性を持ち続け、彼らが達成した利益に縋り付き、前進し続ける。

しかし、こうしたマイノリティかつ疎外された集団に属する人々は、自ら疎外する行為が結果的にそのマイノリティを弾圧したり、その人たちの権利を剥奪しようとしている人々に加担しているということを認識しなければならない。

私たちを1つにするものは分断するものより多く、力強いものであり、羨望で目がくらんだときに見えるものよりも私たちは多くのことを共有している。そして、このことを認識するとき、私たちは最高の力を発揮できる。だから、どうか気をつけよう!そう、あなたも、スティーブン・A!

バイエ・マクニール 作家

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Baye McNeil

2004年来日。作家として日本での生活に関して2作品上梓したほか、ジャパン・タイムズ紙のコラムニストとして、日本に住むアフリカ系の人々の生活について執筆。また、日本における人種や多様化問題についての講演やワークショップも行っている。ジャズと映画、そしてラーメンをこよなく愛する。現在、第1作を翻訳中。

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