売れまくる「ハリアー」発売から1年後の通信簿 「高い商品力」+「店舗数4倍」で販売に死角ナシ
1997年12月25日にデビューした初代は、たしかに新ジャンルを切り拓く革新的な存在であり、憧れの存在であった。しかし、年間販売ランキングでは10位に入っていなかった。
発売翌年の1998年の販売ランキングは10位までしか発表されていなかったが、ハリアーは10位以内に入ることができずに圏外。ちなみに10位は日産「サニー」の6万6894台であった。
1999年は30位まで発表されたが、ハリアーは年間29位で3万4087台。それ以降の年は30位にも入っていない。年間で3万台も売れていなかったのだろう。2003年に登場する2代目も同様だ。
発売期間中、一度もトップ10に入っていない。それどころか、上位30位に入れたのは2007年の一度だけ。しかも、30位で3万3923台という台数だった。
2代目から3代目への世代交代に10年もの長い歳月が必要となってしまった背景には、そうした販売の不調もあったのかもしれない。初代と2代目のハリアーは、イメージの高さに見合うほどは売れていなかったといえるのだ。
モデル末期まで売れ続けた3代目
2013年12月に発売された3代目となる先代モデルは頑張った。発売翌年となる2014年は年間11位に食い込み、販売台数は6万4920台と過去最高の台数を記録する。
そして2015年が13位で5万8991台。続く2016年は22位4万1403台、2017年は16位で5万8732台、2018年が23位の4万4952台。モデル末期の2019年でさえ、25位で3万6249台を販売した。デビューからモデルライフ最後まで、高い水準で売れ続けたのだ。
最新の4代目は、その上をゆく数字を叩き出した。2020年7~12月の販売は5万2297台。翌2021年1~6月で4万8271台。発売1年で、9万9954台という10万台に肉薄する数字を達成。過去最高を更新し続けているのだ。
好調の理由は何だろうか。第1はクルマのデキがよく、先代からのファンを逃さなかったことだろう。中身はTNGAのGA-Kプラットフォームを使っており、「RAV4」とは兄弟車のような関係だ。
評判のよいTNGAプラットフォームがクルマの基本性能を保証しており、そのうえにハリアーならではの価値がプラスされている。コンセプトは「人の心を優雅に満たしてくれる」で、ルックスは流麗なクーペフォルムとなっているし、インテリアの仕上げもよく、上質さがある。
重厚感としなやかさを併せ持つ乗り味も上々。初代から続く「プチ高級車」を感じることができる。販売好調の基本は、そうしたハリアーならではのコンセプトが、幅広く支持されていることにあるだろう。
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