東京圏、青春18きっぷ使って「うずまき」乗り歩き 1日だけでJR線を500km、朝から晩まで鉄道三昧
一方、東北貨物線と結ぶ連絡線が合流すると、東北・北海道方面と東京貨物ターミナルや東海道線方面を結ぶ、とりわけ貨物列車の密度が濃い区間となる。対向列車を心待ちにしたところ、さっそく荒川橋梁のトラスの中でEF210を先頭にした23両編成のコンテナ列車とすれ違った。
終盤、東京の市域に入ると掘割やトンネルが連続する。西武各線が複雑に入り組む市街地をアンダーパスするためで、抜け出て西国分寺で中央線を跨げば、あと2駅だ。府中本町10時20分着。東京からじつに1時間50分を要した。
南武線快速・各停で尻手まで26.2km
賑わう京王線府中駅界隈に対して大國魂神社を挟んだ府中本町駅は住宅地であり、もっぱら武蔵野線と南武線の乗り換え機能でもっている。ただ、貨物線の機能が先にあった配線設計のため、両線の乗り換えは貨物用本線を挟んだ別ホームとなっている。ちなみに、貨物線として機能する府中本町から先の通称「武蔵野南線」は、南武線と並行して東海道貨物線の新鶴見まで通じている。約10分の乗り換えの間に石油タンク列車が通過していった。
段違いのホームに入ってきたのは、10時31分発の快速川崎行き。府中本町を出るとすぐに多摩川橋梁。隣に武蔵野線の鉄橋が並び、そちらを走るコンテナ列車とすれ違った。
稲城市域は高架線となるが、家並みの中に梨畑が点在する風景がこの界隈らしい。しかし、神奈川県川崎市に入って高架を下りると、家々は目線の高さに迫り、京王相模原線と交差の稲田堤駅など窮屈な雰囲気になる。もとが私鉄路線だったので、戦時買収から80年近くを経てなお、変えられない部分は変わらない。小田急線と交差する登戸で先行する各駅停車と緩急接続。どちらも昼前のお出かけ時間のせいか、満席に立客は多少といったところだ。
それから2駅通過の後は、東急田園都市線連絡の武蔵溝ノ口から武蔵小杉まで4駅連続で停車する。高架の武蔵中原を除き、地元商店街が健在の下町的な地上の駅である。そして武蔵小杉は、NECの工場跡地が大規模再開発によりタワーマンションが林立する街となり、東急東横線と横須賀線と接続する拠点でもある。人の流れは東横線側が圧していて、階段・エスカレーターがしばし滞った。
武蔵小杉では登戸で抜いた各駅停車に乗り換え、尻手へ向かう。NECの事業所の一帯を過ぎて密集住宅地が続き、鹿島田付近には再びマンション群。やはり工場跡地が再開発されたものだ。緑を配した現代のマンションの隣に昭和の家屋が並ぶ。それを挟んだ向こうに横須賀線新川崎駅と新鶴見信号場、すなわち武蔵野南線の到達点がある。
尻手から先は南武支線と鶴見線で京浜工業地帯の別世界をたどり、京浜東北線から横浜線快速と乗り継ぎ、多摩丘陵を軽やかに走った。八王子で乗り換えた八高線は単線のローカル線で、沿線に狭山茶の茶畑も広がった。
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