昨対200%「ハイラックストラック」が爆売れの訳 若者人気が急上昇!大ヒット「3つの背景」

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筆者も2018年7月に現行ジムニーが登場してまもなく購入し、約2年にわたりさまざまなシーンでジムニーとの生活を楽しんだ。

こうした中で、ラダーフレームを持つ本格派の“別のカタチ”として、ハイラックスに注目が集まるのは当然だといえる。

背景2: 20~30代とっては新鮮

最近のハイラックスブームの特徴として、若い世代の新車購入が増えている点にも注目したい。20代から30代にとって、ハイラックスは「こんなクルマでも楽しく遊べるんだ!?」という驚きがあるようなのだ。

なぜかというと、日本市場でのハイラックスは2004年に一度販売終了となり、2017年の発売再開まで、13年ものブランクがあったから。若者にとって、現行ハイラックスは初めて触れるピックアップトラックでもあるのだ。

時代を振り返ってみると、日本市場では1980年代から1990年代にかけて、現在のSUVにつながるRV(レクリエーショナルヴィークル)が、人気を博していた。ランドクルーザーやジムニーのほか、パリダカールラリーをマーケティング戦略として活用した三菱「パジェロ」の人気が高まった時期だ。

1990年代に一世を風靡した三菱「パジェロ」の2代目モデル(写真:三菱自動車)

この頃、ハイラックストラックも本来の製品企画のターゲットである商用だけではなく、カスタマイズを楽しむ趣味用として広い世代の男性向けに販売数が伸びていた。だが、1990年代後半からミニバンシフトが始まると、RVブームは一気に終焉してしまい、ハイラックスも日本市場での立ち位置を失ってしまったという歴史がある。

こうした時代の変遷を象徴するような施設が、群馬トヨタが1991年から運営するオフロード系のカスタマイズショップ「RVパーク」(群馬県高崎市)だ。

1990年代当時、トヨタは本格派4WDの普及戦略を進めており、トヨタ本社とトヨタ店系列で本格的なオフロード走行が可能な施設を隣接する、「RVex(ラールベックス)」なるカスタマイズショップを全国で展開したもの。全国のトヨタ店が自社で出資する形で進められ、群馬トヨタのRVパークもその1つとして作られた。

全国のRVexが運営コストの面から事業を停止する中、RVパークは貴重な存在となり、トヨタ系オフローダーの間では“聖地”と呼ばれている。筆者は2021年6月後半にRVパークを取材して、重田浩店長に現在のハイラックスブームについて尋ねてみた。

群馬トヨタ「 RVパーク」の重田浩店長。隣接するオフロードコースにて(筆者撮影)

すると「13年ぶりの復活なので、1990年代当時のハイラックス全盛期を知る(中高年の)ユーザーがメインになると思っていたが、実際には20代から30代の若い世代が多く、想定外だった」と現況に対する驚きを示した。

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