居酒屋の低価格バトル、業界大手ワタミの参入で一段と激化

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 「ジョン万次郎�世」を展開する大庄も「当初は営業利益率10%を狙っていたが、実際には収支トントン」(水野常務)。定番の刺し身や天ぷらなど採算がよくない商品を欲張って置いてしまったことが理由だ。

ワタミは新業態の原価率を既存業態より10%高い37・5%で想定。その分、店内運営の簡素化で人件費を抑制してカバーする方針だ。支払いはカードチャージ式の前金制。注文もタッチパネルで、人件費比率が従来より5%低い20%に抑制できると見積もる。店舗坪数も従来の3分の1に抑え、投資効率も高める。

消費者の二分化は居酒屋業界でも顕著。徹底的に安さを追求するか、価値を認めれば高額出費も惜しまないかだ。その証拠に、中価格帯の「鳥どり」と、客単価5500円前後の「響」を手掛けるダイナックは、「消費者が求めているものが明確な分、響の売り上げは鳥どりよりも約5%力強い」(綾野喜之執行役員)という。

現段階では、ワタミは高額分野を攻めるつもりはないようだ。縮小する居酒屋市場で、低価格業態への進出が起爆剤になるのか。ワタミの試みに、一層の関心が集まりそうだ。

■ワタミの業績予想、会社概要はこちら


(二階堂遼馬 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2010年6月5日号)

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