災害対策を意識した最旬キャンピングカーを調査 トレンドはインフラを確保する充電システム

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ダイレクトカーズの本格キャンピングカー「トリップⅢ」の外観(筆者撮影)

今回のショーでは、前述の日本RV協会のブースにおいて、さまざまな災害対策に使えるキャンピングカーも展示された。いずれも充電システムに力を注いでいるのが特徴だ。

ダイレクトカーズの本格キャンピングカー「トリップⅢ」の車内(筆者撮影)

例えば、ダイレクトカーズが製作した新作、トヨタの「カムロード」(小型トラックのダイナを使用したキャンピングカー専用ベース車)を使った本格キャンピングカー「トリップⅢ」。充電システムには、1105Wのソーラーパネルや4個のリチウムイオンバッテリーを採用した独自の「HIパフォーマンスハイブリッドシステム」を採用。大人5名が就寝可能な広い室内と、148L冷蔵庫や電子レンジ、キッチンなどを備える快適装備を誇るモデルだ。

ナッツRVの「クレソンジャーニー タイプW」(筆者撮影)

また、ナッツRVが製作した、同じくカムロードをベースにした「クレソンジャーニー タイプW」には、100Ahの大容量サブバッテリー3個を搭載し、独自の急速充電機構などと組み合わせた高効率充電システム「エボライト」を搭載。就寝中にエンジンを停止した状態でも家庭用エアコンが使用できるほか、こちらも冷蔵庫や電子レンジなどの家電製品が使えることで、避難先でも可能な限り普段に近い生活を送ることが可能だ。

クレソンジャーニー タイプWは家庭用エアコンも使用できる(筆者撮影)

アウトドアだけではなく、災害対策という新たなニーズ

同協会が発表した「キャンピングカー白書2021」によると、2020年度のキャンピングカー保有台数は約12万7400台で、対前年比106.7%の増加となっている。また、同年度における生産台数は7434台で、やはり前年対比115.3%の増加だ。近年、需要が伸び続けるキャンピングカー業界だが、その要因には、本来のキャンプなどアウトドアでの使用に加え、ここで紹介したような災害対策といった新しいニーズに後押しされていることも大きいのだろう。より幅広い用途で活用できるモデルが、今のキャンピングカーにおけるトレンドのひとつだといえる。

平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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