中国でアップルとサムスンに明暗 焦点:モバイル市場に「中国サプライズ」
サムスンは中国では強いブランド力があるが、カウンターポイント・リサーチ(韓国ソウル)のアナリスト、トム・カン氏によると、同じような機能を持った中国製端末より値段は60━100%高い。同氏は「ブランドプレミアムがあるとはいえ、ちょっと高すぎる」と語った。
サムスンは当記事に関するコメントを差し控えている。
「ギャラクシーS」シリーズなどサムスンの上位モデルは、iPhoneとiPadへの直接的な対抗機種。ただ調査会社カナリスによると、同社の1━3月の中国販売台数全体に占める「ギャラクシーS」の割合は約25%にとどまった。中国で売れているサムスンの端末は500人民元(約8200円)以下のモデルが圧倒的多数だという。
同時にサムスンは、小米科技(シャオミ)など中国の新興端末メーカーとの価格競争にもさらされている。シャオミは22日、4G対応の新型スマホ「Mi4」を1999元で発売すると発表した。
サムスンが直面する課題は、5━6月の中国での人気機種ランキングでも浮き彫りとなっている。カウンターポイントによれば、同社製端末でベスト5に入ったのは「ギャラクシーノート3」のみで、それも中国レノボ・グループ(聯想集団)<0992.HK>のスマホと並ぶ5位だった。
<中国サプライズ>
アップルは第3・四半期の売上高について、中国での予想外の強い数字が押し上げ要因になったと発表。中国市場では4━6月、iPhone販売台数が約50%増加した。
ティム・クック最高経営責任者(CEO)は「正直言って中国は驚きだった。強い数字だろうとは思っていたが、われわれが考えていた以上だった」と語った。
中国の携帯電話最大手、中国移動(チャイナ・モバイル)<0941.HK>が4Gサービスを開始したのは今年2月。同サービスの契約者は2月末時点では130万人だったが、6月には約1400万人まで膨れ上がったという。
ガートナーのアナリスト、C・K・ルー氏は「チャイナ・モバイルの利用客の多くは古い携帯を使っていたので、4G開始に伴って自然に(iPhone)5Sや5Cに乗り換えてアップグレードした。この傾向はiPhone6が発売されれば一層顕著になるはずだ」と語った。
中国移動は4G契約者の端末別の内訳を発表していないが、奚国華会長は3月、「4G利用者134万人のほとんどはiPhoneを使っている」と明かしていた。