中国の新興EV(電気自動車)メーカーで、ニューヨーク証券取引所に上場する小鵬汽車(シャオペン)が、近く香港証券取引所に重複上場する。6月23日、香港証券取引所の開示情報から、同社が上場審査を通過したことが明らかになった。資金調達額や具体的な上場スケジュールは未定だ。
小鵬汽車は2014年の設立で、本社は広東省広州市にある。2020年8月にニューヨーク証券取引所でIPO(新規株式公開)を果たし、16億5000万ドル(約1829億円)の資金調達を行った。 さらに同年12月には、公募増資で24億4490万ドル(約2711億円)を追加調達した。しかし現在まで同社の純損益は赤字で、営業キャッシュフローはマイナスに陥っている。
小鵬汽車が香港証券取引所に提出した目論見書によれば、同社はニューヨーク証券取引所と香港証券取引所の両市場を”主要な上場先“にするとしている。ただし、これを実現するためには両証券取引所のすべての上場規定を満たす必要がある。
両証券取引所のすべての規定を満たす必要
そこで小鵬汽車は、香港証券取引所の上場規定に合わせるため、さまざまな調整を行うとしている。香港証券取引所の規定によると、上場会社の董事会(取締役会に相当)には、少なくとも3人の社外取締役を指名しなければならない。現状では、小鵬汽車の取締役会はこの要件を満たしていないため、新たに2人の社外取締役を招聘する予定だ。
同じく香港証券取引所の規定では、上場会社が議決権に差をつけた種類株を発行する場合、それぞれの種類株を代表する取締役を置く必要がある。小鵬汽車は現在、A、B、Cの3種類の種類株を発行しており、保有者にはそれぞれ1票、10票、5票の議決権が付与されている。
このうちC種株は、中国の電子商取引最大手である阿里巴巴集団(アリババ)傘下の淘宝(タオバオ)のみが保有している。タオバオは小鵬汽車の第2位の大株主であり、持ち株比率は11.9%だ。
香港証券所の上場規定を満たすため、小鵬汽車はタオバオに対して、1対1の比率でC株をA株に転換することを提案。タオバオはこれに同意した。この株式交換後、小鵬汽車が発行する種類株はA種株とB種株の2種類となり、B種株の保有者は、同社の共同創業者の何小鵬董事長(会長に相当)と夏珩総裁(社長に相当)だけになる。
(財新記者:鄭麗純)
※原文の配信は6月24日
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