東京女子医大「医師待遇の不利益変更」に募る疑念 「時代の流れに逆行」厚労省検討会の構成員も指摘

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Q:「医師の働き方改革」の一環として研究日を廃止したと説明していることに、問題は?

「医師の働き方改革の目的は、医師の健康確保と医療提供体制の両立です。

長時間労働で手術や診療を行うのは、(医師にとって)非常に危険だとわかっているからです。それに、新しく医師になっている4割近くが女性であることを考えると、東京女子医大は新しい病院の方向性を示す役割があるでしょう。

しかしこれまでの動きからは、一体、何を目指しているのか、医療機関としてどのような社会的責任を果たすのか、見えてきません。

医師の働き方改革は、経営側が一方的に時短を進めるのではなくて、医療者と一緒にPDCAサイクル(※)を回していくべきです。

経営陣と現場の医師が対立関係になっている状態で、良い病院が作れるはずがない。東京女子医大のやり方は、時代の流れに逆行していると私は思います」

(※PDCAサイクル=Plan、Do、Check、Actを繰り返すことで、業務内容の改善点を特定して変更するモデル)

業績は82億円の黒字決算

今年6月、東京女子医大の2020年度決算が公表された。約82億円の黒字。これは過去最高益となる。ただし、3つの付属病院の医療収入は2019年度より78億円少ない、742億円。それでも黒字決算となったのは、新型コロナ関連の空床確保料などで、多額の補助金が交付されたことが大きい。

「去年夏のボーナスは、新型コロナの影響で経営が厳しいので支給しないと説明されました。報道で問題となって、結局1カ月分が支給されましたが、例年よりも減額されています。補助金で黒字というなら、現場スタッフに還元されるべきでは、と思ってしまいますね」(本院・30代医師)

現在、東京女子医大では、新宿のキャンパス全体を再整備する計画を進めている。2028年までに、老朽化した病棟や校舎を段階的に建て替えていく予定で、総工費は約1000億円。昨年は新校舎棟2棟を竣工させた。さらに今年度は、東京・荒川区にある分院の東医療センターを、足立区に新築して移転させる。

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