SDGsでも重視「男性育児休業取得率」トップ100 人材活用加えたESG-HでSDGsの取り組みを見る

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その結果である「SDGs 日本を代表する500社」(SDGs企業ランキング)は、週刊東洋経済で発表しているが、今回、評価項目のひとつである、「男性の育児休業取得率」をピックアップし、ランキングを作成した。

SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」のターゲットの中のひとつに、「世帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する」との文言がある。男性の育児休業の取得推進は、それを解決する取り組みのひとつといえる。

また、6月3日に「改正育児・介護休業法」が成立し、男性が子どもの生後8週間以内に最大4週間の育児休業を取得できる「出生時育児休業」などが盛り込まれた。

関心が高まっている項目で、法改正を待たずにすでに男性の育休取得が進んでいる企業も多い。

『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2021年版データから2019年度の男性の育児休業取得率が高い企業を順に並べた。育児休業取得率は該当年度内に新たに育休を取得し始めた男性社員数を同年度内に子が生まれた男性社員数で割って計算している。なお、前年度からの育休を継続して取得している人も含む基準で算出している会社もあり、その場合、結果が100%を超えることがある。

トップは大東建託

ランキング1位は大東建託で136.0%。取得人数は287人だ。同社は男性の取得を促進するために、男性に育児休業5日間の取得を義務化。2017年度の5.3%から急激に上昇している。

2位は丸井グループの125.6%(取得人数54人)。仕事と育児の両立支援、男性の育休取得促進のため「イクメンのための育休ガイドブック」を作成、配付するとともに社内教育を実施。男性の取得を後押しする支援を行っている。

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3位はピジョンの125.0%(同10人)。育児休業期間の1カ月は、特別休暇による給与補償を実施。男性社員も子が1歳6カ月になるまで育児休業を取得する「ひとつきいっしょ」制度を整備している。

4位はヒューリックで116.7%(同7人)。子が4歳になるまで取得可能で出産年度と取得年度のずれで100%を超えた。同社も取得期間の最初1カ月を育児特別休業として有給化している。

以下、5位リコー112.6%(同233人)、6位関西電力109.0%(同520人)、7位めぶきフィナンシャルグループ106.3%(同67人)と続く。8位には積水ハウスなど15社が100%で並ぶ。対象者全員取得を目標に取り組みを行っている企業が多い。

70%以上は51位の昭和産業71.4%(同25人)まで。50%以上は86位の大建工業セイコーホールディングスまで。100位のTIS(同99人)でも43.4%と全体的にレベルは上がっている。

なお、2017年2月27日配信記事「男性社員が育休を取りやすい会社トップ50」で掲載した同じランキングでは100%はわずか3社。50%超えも15社しかなかった。さらに50位で6.3%という低さ。ここ数年で男性育休取得率が急激に伸びてきていることがわかる。

家庭と仕事の両立というワーク・ライフ・バランス推進はもちろん、男性の育児休業取得増加という社会課題解決のために企業の役割は重要だ。

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