中国の外貨預金1兆ドル突破は資本自由化の好機 この2~3年中に資本取引の規制緩和実施へ

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中国の銀行で外貨預金が初めて1兆ドル(約110兆円)を突破し、資本勘定自由化の好機が生まれている。

中国経済の回復力と人民元の上昇を受け、ここ1年の外国勢による中国債券・株式購入は記録的水準となった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)対応に必要な製品の需要から、中国の輸出に対するドルの支払いも増え、外貨預金は5月までの1年間で2600億ドル余り増加。2002年からの比較可能な期間で最も大きく伸びた。

ドイツ銀行の大中華圏担当マクロストラテジスト、劉立男氏(香港在勤)は「力強い資本流入が資本勘定改革を実行し、双方向の資本移動を緩和する好機を中国に与えている」と指摘。「投資スキームを介した資本流出が一層緩和されると想定している」と述べた。

中国人民銀行(中央銀行)によれば、本土商業銀行による外貨保有は5月末時点で過去最高の1兆3800億ドル。その大半が預金だ。データによると、銀行はこうした外貨の大部分をオンショアとオフショアで企業向け融資に回している。人民銀の外貨準備高も先月、5年ぶりの高水準となった。

中国内でのドル預金金利が過去最低近くに下がっているのは、こうした資金流入の産物だ。米国でのドル資金調達コストのわずか3分の1程度で、これがトレーダーに元買い・ドル売りを促し、過度な元高がホットマネーの流入を招き、輸出企業に打撃を与える可能性があると中国政府が懸念する状況になっている。

スタンダードチャータードの中国マクロ戦略責任者、劉潔氏(香港在勤)は「越境資本動向をよりバランスの取れたものにするため中国は潤沢なドル流動性というチャンスを生かす」と予想。「今後2、3年、政策当局は資金流出の経路を広げ続けるだろう」と語った。

原題:China Banks Stockpile Record $1 Trillion of Foreign Exchange (1)(抜粋)

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著者:Bloomberg News

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