物件内見中わいせつ事件に「賃貸業界」が戦慄の訳 不動産業界は30年前から変わっていないのか
それでも、事実をいえば、賃貸仲介業界は、悪しき問題も見られた過去からは目覚ましく変わっている。もっとも大きな変化は、彼らが、客である入居希望者の気持ちに寄り添うようになったことだ。
CS(顧客満足)を重視する意識が、この間大いに浸透した。そのため、窓口スタッフの言葉遣いからして、いまは過去とはまるで違っている。このことについては、荒々しい時代が過ぎ、人々が優しくおだやかになってきたこともあるが、賃貸管理会社が成長したことも要因として大きい。
管理会社がオーナーの、仲介会社が入居希望者側の、それぞれのベネフィットにより傾斜するポジショニングが生まれたことにより、仲介側における、いわゆる窓口レベルが上がったことも、大いに指摘できるポイントだろう。
エイブルも業界地位向上には貢献していた
そうした意味では、今回、重大な事件の容疑者を出してしまったエイブルも、業界の地位向上にあって果たした役割が大きかった1社だ。
「従業員は入室を控える」については、混乱の中、難しい条件を自らに課してしまったのかもしれないが、試行錯誤のよいきっかけにはなるだろう。
今回の「コロナ」対応で、貧困者へのサポートなど、総じて社会性の高まったところを見せた家賃債務保証業界。賃貸不動産経営管理士の国家資格化などによって、社会的責務が一段と増した賃貸管理業界。
これらとともに、賃貸仲介各社も、社会の幸福の底上げのために、より一層努力をかさねていってほしいものだ。
(執筆:朝倉継道、コミュニティみらい研究所代表)
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