物件内見中わいせつ事件に「賃貸業界」が戦慄の訳 不動産業界は30年前から変わっていないのか
5月末、残念なニュースが不動産業界を駆け巡った。福岡市で起きた賃貸仲介会社社員による強制わいせつ事件だ。賃貸物件の空室という、周囲の目が届かない密室を利用した卑劣な犯行が明らかとなった。
事件は4月に起きていた。被害者は、物件探しのため容疑者の勤める店を訪れた26歳の女性だった。
その女性に対し、内見案内の途中、無理やりわいせつな行為をした疑いで、エイブル博多駅前店勤務の42歳の社員が5月26日に逮捕された。捜査員に前後を固められながら、任意同行のため店を出てくる容疑者を捉えた映像をテレビのニュースやインターネットでみたという人も多いだろう。
すぐに逃げられなかった被害女性
事件当日、被害者と容疑者の2人は3つの物件を巡っている。そのうち2つ目の部屋で容疑者は犯行に及んでいる。女性はなぜ、そのあとすぐに逃げ出さなかったのだろうか?
報道によれば、その理由について女性は、「住所や携帯電話の番号など、個人情報を渡していたので、逃げるのは怖かった」旨、語っているという。もっともなことだろう。女性はおそらく恐怖におびえながら、3件目の部屋の案内もおとなしく受け、その後、警察に被害を届け出ている。
一方、容疑者の方は、何か勘違いして調子に乗ったのか、内見終了後、女性に対しLINEアカウントの交換まで要求したということだ。
この事件を受け、エイブルは5月27日にリリースを行った。
今後、物件の内見案内をする際、従業員は「入室を控える」という。なおかつ、「おひとりでご来店された女性のお客様には、女性社員がご案内できる体制を整えてまいります」ともある。