ノートの高級版「オーラ」に課された2つの重責 プレミアムコンパクトにかけた日産の切り札

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「美・機能=美しさの中に考え抜かれた機能がある」としては、フロントのLEDヘッドランプや、リアの横一文字に真っすぐ広がるLEDコンビネーションランプなどにより、精悍でひと目でノート オーラだとわかるシグネチャー(存在)とされた。新たに採用された17インチホイールは、切削面の中にグレーの樹脂フィニッシャーをはめ込み、軽量化と高剛性の両立が図られる。

インテリアでは、インパネの形状こそノートと同様ながら、シート地やトリムなどにツイード素材が採用されたほか、木目調パネルが用いられて仕立てのよさを演出。静粛性を高めるため、フロントドアのガラスは遮音合わせガラスに。

基本形状は同一ながら素材や色で高級感を表現する(写真:日産自動車)

BOSEとのコラボレーションによるヘッドレストスピーカーを用いた「BOSEパーソナルプラスサウンドシステム」を採用し、静粛性の高い車内で音楽を楽しめるようにしている。

e-POWERパワートレインはノートと同じ第2世代だが、最高出力を85kWから100kWへ、最大トルクを280Nmから300Nmへとそれぞれチューンアップされた、加速力に余裕を持たせたものとした。

また、低速走行時のエンジン始動回数を抑制したと同時に、静粛性を高めるため、ロードノイズが大きくエンジン音がわかりにくい荒れた路面で発電が行われる制御が採用される。4WDモデルに搭載される50kWの大容量リアモーターは、ノートと同様だ。

5個のカメラと3個のミリ波レーダー、8個のソナーにより、周囲を検知する全方位運転支援技術は、全車に標準装備。運転支援技術「プロパイロット(ナビリンク機能付き)」は「NissanConnectナビゲーションシステム」と連動し、カーブの大きさなどを事前に地図情報から把握することでスムーズに曲がれるように車速をコントロール。より自然な感覚の運転支援を実現する。

独自路線でEV化を目指す日産の未来

トヨタやホンダなどの国産自動車メーカーが、EVとハイブリッド(HEV)の2本柱での電動化路線を進む中、日産はEV1本化を目指した独自路線を狙う。カーボンニュートラル社会に向けての第一歩として位置づけられたe-POWERラインナップの拡充は、果たして成功するのだろうか。

2021年6月4日に発表された新型クロスオーバーEV「アリア」が、受付開始から10日間で、約4000台の予約注文を受けたとの発表を見ると、その方向性はあながち間違っていないのかもしれない。

ダウンサイジングユーザーの取り込みと電動化シフトへの布石という2つの重責を課せられた「ノート オーラ」の価格(税込)は、2WD仕様の「G」が261万300円、「G leather edition」が269万9400円、4WD仕様の「G FOUR」が286万8800円、「G FOUR leather edition」が295万7900円で、2021年秋頃の発売予定となっている。

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先川 知香 モータージャーナリスト

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さきかわ ちか / Chika Sakikawa

初めて見たバイクレースでマシンをバンクさせながら膝を擦って進入していくコーナリングを自分もやってみたいと思ったのをきっかけに、マシンを操ることの面白さを知り、その面白さを多くの人に伝えるべくモータージャーナリストを志す。現在の対象は2輪から4輪までと幅広く、Web や紙媒体で執筆中。愛車は Kawasaki Z250 とGASGAS、TOYOTA86 MT 仕様。休日は愛車でのサーキット走行やトライアルにも挑戦中で、公私共に乗り物漬けの日々を送る。

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