広告業界には制作会社も含まれるが、広告代理店を指すことが多い。その人気は数十年前から高く、今も続いている。学生が憧れる理由は、メディアへの露出という華やかなイメージだろう。出版・新聞・テレビ業界の人気とかぶっていると思う。そして、広告業界を代表するのが「電博(デンパク)」だ。今回の調査でも6位電通(総合19、文系15、理系4)、20位博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ(総合5、文系4、理系1)がランクインしている。
広告代理店はテレビ、新聞、雑誌、インターネットなどのメディア(媒体)への広告を扱う。サイバーエージェントのようにインターネット広告に特化した広告代理店もあるし、電博のようにすべてのメディアを扱う代理店もある。
しかし、広告だけを扱っているわけではない。オリンピックのような大型イベント、大規模空間プロデュース、都市開発などのプロジェクトにも関与している。そして、広告業界の中でもとくに電通が得意とするのが、大型予算がつく未来社会開発プロジェクトだ。学生はよく理解して、電通に憧れている。
「広告業界の最大手であり、採用人数も少なく、年収も高く、世間的な評判も高いため、優秀な人材が多く集まる印象が強い」(文系・早慶大クラス)
採用活動はマーケティング
「優秀な学生が内定を取るイメージが最も強い企業」とは、学生が考える「就職最難関企業」と言ってもいい。商社や広告代理店などは昔からの難関企業だ。新興の難関企業もあり、代表格がアクセンチュア、楽天、キーエンスだ。1位伊藤忠商事の座は当面揺るぎそうにないが、アクセンチュアなどの名前も上位を占めるだろう。今回の調査では17位だったアビームコンサルティング、サイバーエージェントも常連になりそうだ。
10年前に学生の多くが知らなかった企業が上位を占め始めた背景に、口コミ情報がある。ひとつの口コミから連鎖が始まり、消えることがない。一度話題になるとずっと話題になって知名度が上がっていくように見える。
採用活動はマーケティングでもある。学生に自社イメージを醸成してもらい、志望度を上げてもらう。これまでは採用ホームページや就職ナビのコピーやビジュアル、若手社員の人選を工夫すればよかった。しかし、学生の口コミは制御できない。採用人事の頭痛の種になりそうだ。
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