スズキが直面「インドとミャンマー」という難関

積年の課題「インド一本足」から脱却できるか

決算発表説明会に臨むスズキの鈴木俊宏社長(記者撮影)

「今年、どういうふうにインド市場が回復していくのか、明確に生産計画を言えない状況にある」

国内軽自動車大手・スズキが5月13日に開いた決算説明会。鈴木俊宏社長は終始厳しい表情で語った。

スズキの2021年3月期決算は、売上高が前期比8.9%減の3兆1782億円、営業利益は同9.6%減の1944億円に沈んだ。3期連続の営業減益となる。

コロナで3000店舗が営業停止に

スズキはこの2年間、インド市場の低迷に苦しんできた。スズキにとってインドは世界販売台数の半分以上、売上高の約3割を占める主要マーケットだ。インドでは銀行の不良債権問題が発端となり、自動車ローンを提供するノンバンクの貸し渋りが2019年に発生。自動車販売が大きく減少し、これに引きずられてスズキの業績も大きな打撃を受けた。

2019年末にはいったん販売が上向き、市場回復の兆しが見えていたが、その矢先に新型コロナウイルスがインド全土を直撃した。厳格なロックダウンが実施され、スズキがインドで展開する約3000店の自動車販売店も全店営業できず、インド国内に3カ所ある生産工場も稼働停止を強いられた。

2020年4月にはインドに展開する全自動車メーカーの販売台数合計がゼロ台となる前代未聞の出来事も起きた。その結果、スズキは2期連続の減収減益決算に陥った。

しかもスズキは国内の自動車メーカーで唯一、2022年3月期の業績予想を公表できなかった。2020年5月に2021年3月期の業績予想を公表できたのは最大手のトヨタ自動車だけだったが、2021年はスズキを除く各社とも業績予想を発表している。

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