みずほ会長辞任の内幕、金融庁が“最後通告”

拡大
縮小


 金融庁幹部が3トップに伝えたのはそれだけではない。経営体制を改めないのならば、「公的資金の注入を具体化せざるをえない」と監督当局としての強い意志を口にしたという。

12年末から導入予定の国際的な自己資本比率を前提にすると、みずほグループには巨額増資が避けられない。すでにライバルの三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループは、昨年末から今年初めにかけて1兆円規模の普通株増資を実現している。メガバンクでみずほグループだけが後手に回る中、唯一の政府介入となれば負け組の烙印を押されかねない。

金融庁がみずほグループを問題視するようになったのは、自己資本の脆弱性とガバナンスの問題だけではなかった。金融庁には日々、金融機関の利用者から苦情が寄せられるが、みずほグループに関する苦情件数は他と比べて多い。3トップを呼び出した背景には、そんな状況に堪忍袋の緒が切れたという事情もあったようだ。

■みずほフィナンシャルグループの業績予想、会社概要はこちら

(浪川 攻 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2010年5月22日号)

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT