河井事件の1.5億円、うごめく「二階降ろし」の策動

二階幹事長の「不関与発言」が党内外で大炎上

4月15日、衆院本会議に臨む自民党の二階俊博幹事長(中央、写真:時事)

河井案里元参院議員の巨額買収事件の買収原資とも指摘されている自民党本部からの1億5000万円について、二階俊博幹事長の「関与していない」発言が大炎上している。

「相場の10倍」(自民選対)とされる巨額の選挙資金が幹事長の決裁もなく支出されたとすれば、そのずさんさは国民の税金から政党助成金を受け取る公党としての資格も問われかねない。

しかも、選挙資金支出の決裁に関わる立場だった当時の安倍晋三総裁(前首相)や甘利明選対委員長(党税調会長)も、そろって関与を否定している。このため、自民党内でも「党本部はまるで伏魔殿」(若手)との声が噴出し、コロナ対応で求心力低下が際立つ菅義偉首相にとっても「政権を揺さぶる悪材料となる」(閣僚経験者)ことは不可避の状況だ。

甘利氏は選挙資金問題を強く否定

二階氏の発言は5月17日の定例記者会見で飛び出した。1億5000万円問題を質された二階氏は「その支出について、私は関与していない」と記者団をにらみつけるように言い切った。同席した二階氏最側近の林幹雄幹事長代理も、甘利氏が当時、選対委員長として広島選挙区を担当していたと補足説明した。

二階氏らはこれまで、元法相の河井克行被告(公判中)と妻の案里氏への巨額の選挙資金支出の経緯について踏み込んだ言及を避けてきた。しかし、17日の会見で林氏は「当時の選対委員長が広島を担当していた。細かいことについて幹事長はよくわからない」と述べ、甘利氏が決裁した可能性をあえて示唆した。

これに対して甘利氏は18日、国会内で「(選対委員長として)1ミリも、正確にいえば1ミクロンも関わっていない。関与していない以前に、党から給付された事実を知らなかった」と強い口調で自らの関与を否定した。

この1億5000万円問題では、広島県連会長の岸田文雄前政調会長が12日、早急な使途解明と国民への説明を党執行部に申し入れた。その際、林氏は「検察から書類が戻れば報告書を作成し、総務省に届ける」と従来の説明を繰り返した。

そもそも、買収事件発覚後には、甘利氏から選対委員長を引き継いだ下村博文政調会長が「党本部(からの振り込み)ということであれば、幹事長、あるいは総裁の判断ということになる」と指摘していた。

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