苦しい闘病が続き、ゲームにログインできないときも、意識が混濁したときも可能な限り更新を続けた。スクリーンショットがなくても、夢と現(うつつ)の境目がわからなくなっても、誤字や脱字が交ざっても、とにかく力尽きるまで更新を続けた。
それだけ心血を注いだブログだが、管理人がいなくなったラストページに「さようなら」の文字はない。極限状態のなか、マイディーさんはどんな思いで更新していたのだろうか。ブログに残された十余年の足跡から見えてくるものがある。
睡眠2~3時間で仕事とオンラインゲームを両立
オンラインゲームには、オンラインカジノやブラウザゲーム、多人数がゲーム世界の住人となってチームプレーで敵を倒したりするMMORPGなど、多彩なジャンルがある。運営側が用意したミッションをクリアするだけでなく、仲間とチャットでコミュニケーションしたり、自分好みにアバターを着飾ったりと、楽しみ方にも広がりがある。
マイディーさんはあらゆるジャンルのオンラインゲームをプレーしており、「一撃確殺SS日記」はその楽しさを伝えるために始めた。すでに別のブログを持っていたが、そちらは当時メインでプレーしていたMMORPG『エミル・クロニクル・オンライン(ECO)』の公式ファンサイトに指定されていたため、他のゲームを紹介するのは憚られる。そこで自由に、かつスクリーンショット主体で手軽に更新できる場を求めた。
まもなくして両ブログの主従は逆転。プレーするゲームも、2010年7月に『ファイナルファンタジーXIV(以下、FF14)』の試用版のプレー権を入手して以来、じわじわとそちらに主軸が移っていった。
年齢や職業、実名などは明かしていない。ただ、生まれも育ちも関西で、少なくとも2000年代には会社勤めしていることは断片的な記述でわかる。1980年代のロボットアニメに造詣が深く、子供の頃からサブカルチャーに親しんでもきた。そして、オンラインゲームに出合ってからは、オフラインとオンラインの二足のわらじで生活するようになったことも読み取れる。
(2009年12月13日「祝・5000アクセス!」/一撃確殺SS日記より)
盆も正月も、出張でゲームに触れられない日も当たり前のように毎日投稿を続ける。肉体的には負担の大きい生活ながらブログへの意欲が薄れることはなかった。
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