MRIや血液検査でもわからなかった腰痛の「原因」 1年以上病院やマッサージに通っても改善せず
「『問題はない』と言われても、痛いものは痛いんです。痛み止めをもらって飲んでいた時期もありますが、そんなに効かないし、そもそも痛み止めで痛みが治まったとしても根本的に治ったわけではありませんよね。
整形外科に通って牽引や電気治療を受けたこともあります。その場ではちょっと良くなったかなと思うことはありましたが、結局また痛くなりました。今は整体や鍼灸に行って、なんとか騙し騙し生活しています」
話を聞きながらピンときたこと
お話を聞きながら、「ああ、これはきっと……」とピンときましたが、判断を下す前に、〝危険な腰痛〟の可能性をつぶしておかなければいけません。これまでにどういう検査を受けたのか、健康診断やがん検診は受けているのか、あらためて1つひとつ確認していきました。
整形外科は近くのクリニックだけではなく、大きな病院にもかかったそうで、その時に「他の病気についても調べてみましょう」と言われ、泌尿器科や内科、さらには婦人科にもかかったとのこと。その結果、体の病気のほうは心配なさそうとなると、疑わしいのは心の問題です。
仕事のことや家庭のこと、生活のことなどをそれとなくうかがうと、やはりずいぶんストレスがたまっているようでした。見るからに生真面目そうで、悩みを人に相談したり友人と語らってパーッと愚痴を吐き出したりする習慣もないとのこと。ご自身ではストレスがたまっていることにさえ気づいていらっしゃらないようでした。
「Fさん、ストレスがたまっているようですね。精神的なストレスが、痛みを生んでしまうこともあるんですよ」。心因性の腰痛について説明をしようとしたところ、Fさんは「え?」と驚かれるとともに、「痛みは気のせいだ、ということですか?」と少しムッとされたようでした。
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