「サッカー競技場でテレワーク」奇策できた事情 コロナ禍で赤字続出Jリーグの切り札になるか

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試合前の豊田スタジアムの記者席をサポーターに開放する「テレワークスタジアム」(C)N.G.E.

2021年Jリーグも3分の1が終了。2020年J1&天皇杯王者の川崎フロンターレの勢いが止まらない。4月29日と5月4日の2位・名古屋グランパスとの首位攻防2連戦も連勝し、早くも独走態勢に入りつつある。

本来なら大型連休中の上記2連戦はどちらも超満員の観客で膨れ上がるはずの注目ゲームだった。しかし、「まん延防止等重点措置」が発出された愛知県・豊田スタジアム開催の前者は上限1万人制限が設けられ、観客数は9693人止まり。5000人制限となった神奈川県・等々力競技場での後者に至っては4954人しかサポーターを入れられなかった。

5月1日の横浜F・マリノス戦を無観客(リモートマッチ)で行わなければならなくなったFC東京にしても、ドル箱カードの観客制限はJクラブにとって死活問題と言わざるを得ない。

コロナで経営に大きなダメージ

その影響はコロナ禍1年目となった2020年度(2021年1月期)決算にも如実に表れた。J最大の集客力を誇る浦和レッズは6億1200万円の純損失を計上。とくに入場料収入が2019年度(2020年1月期)の23億円から4億2300万円に激減した。

常勝軍団・鹿島アントラーズも9億4500万円、FC東京も3億2524万円の純損失をそれぞれ計上するなど、J1のビッグクラブは軒並み苦境に直面している。

2020年平均観客動員数トップの名古屋も5億2900万円の純損失と、近年稀に見る経営ダメージを受けた。クラブとしては、YouTubeやLINE LIVEを使った映像コンテンツや公式アプリの提供に本腰を入れ始めている。その先には投げ銭収入や新規広告収入の獲得が視野に入っているようだ。

新たな収入源への模索はそれだけではない。コロナ禍で強まったテレワークのニーズに着目。3月17日の横浜FC戦からテレワークと試合チケットを組み合わせた「テレワークスタジアム」という新サービスを開始したのだ。

仕掛け人である同社マーケティング部ファンデベロップメントグループの遠藤友貴彦グループリーダーがその経緯を説明する。

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