予約殺到!ANA夏休み深夜限定便のカラクリ 羽田―沖縄、片道9700円はこうして実現した
通常の旅客機は乗客だけを乗せるのではなく、ベリーと呼ばれるお腹の部分に航空貨物を併載して運ぶ。今回のギャラクシーフライトに使う旅客機は、これまで羽田―那覇間の荷物だけを運んできた。
そこで、空いている「座席」の部分に乗客を乗せて一緒に運ぶという逆転の発想によって、コストを大きくかけずに旅客便を飛ばすという奥の手を編み出した。そのため、各便の乗客数は荷物の多寡に左右され、手荷物が預けられるのは1便あたり原則150席となる。
日本国内の人口が減少に転じ、国内線の需要が中長期的に落ち込んでいくと見込まれる中、ANAやJALは国内線の機材を小型化して効率よく飛ばすという戦略を進めている。ANAは今年、「ジャンボ」の愛称で親しまれてきたボーイング製の超大型機「747」を退役させた。
この流れの中で、羽田―那覇便は夏休みシーズンの需要に対して、提供する座席の数(供給)が物理的に足りなくなった。こうした事情も、ギャラクシーフライト導入の背景にある。
空港からの“足”も確保
ANAはギャラクシーフライトの運航にあたって、沖縄のタクシー会社やレンタカー会社、ホテルなどと調整。関係方面からの協力を得ている。たとえば、ニッポンレンタカーはこの期間中、那覇空港における店頭窓口の24時間対応に踏み切り、ホテルも早い時間のチェックインに対応する。
宣伝手法も独特で、テレビや新聞などに大掛かりな広告はほとんど出さず、ネット広告やソーシャルネットワークなどを通じた情報発信が中心になっているという。「実際に運航して収支が取れるかを確認したうえで、商機があれば積極的に広げたい」(鬼久保氏)。今回の夏休み便が好調だった場合は、年末年始やゴールデンウイーク、3連休などに応用していくこともありえそうだ。
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