4.25トリプル選全敗、高まる「反自民」のうねり

与党内に広がる「菅では選挙を戦えない」との声

同再選挙は、巨額の買収事件で公職選挙法違反の有罪判決が確定した河井案里前参院議員(自民を離党)の当選無効・失職を受けたもの。選挙戦では「政治とカネ」が唯一最大の争点となり、金まみれの買収に対する有権者の強い怒りが保守王国・広島での野党勝利につながった。

広島と同様に与野党対決の構図となった参院長野補選は、野党統一候補となった立憲民主新人の羽田次郎氏(51)=共産、国民、社民推薦=が、自民新人で元衆院議員の小松裕氏(59)=公明推薦=を破った。

立憲民主の羽田雄一郎参院幹事長が2020年末に新型コロナで死去したことに伴う補選で、野党側は実弟の次郎氏による弔い選挙を前面に出して圧勝した。

支持率に表れない「反自民」のうねり

一方、収賄罪で在宅起訴された吉川貴盛元農林水産相=自民を離党=の議員辞職に伴う北海道2区補選は、自民党が不戦敗を決める中、野党統一候補として立候補した元衆院議員の松木謙公氏(62)=国民、社民、共産道委員会推薦=が、維新の新人ら5氏に圧倒的大差をつけて国政復帰を果たした。

投票率は3選挙区とも前回選挙をかなり下回り、有権者の無関心さも目立った。中でも、これまで自民候補が野党候補の2倍近い票を得てきた広島で、公明党の全面支援を受けた選挙戦で自民が敗北した。そのことは、同党への逆風の強さを浮き彫りにしている。

2019年以降に実施された衆参補選・再選挙は計7回(衆院4回、参院3回)。このうち自民が勝利したのは2020年4月の衆院静岡4区だけとなった。いずれも2017年秋の前回衆院選以降に実施されたもので、自民党内には「政党支持率には表れない『反自民』のうねりが感じられる」(選対幹部)との不安も広がる。

開票状況を自民党本部で見守った山口泰明選対委員長は25日夜、「(結果は)厳しいが厳粛に受け止める。謙虚に反省し、しっかり検証して正すところは正したい」と述べ、広島での「政治とカネ」批判についても「(影響は)ないとは言わない」と肩を落とした。

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