成毛眞「日本人よ、自分が生き残ることを考えよ」 「テクノロジーを学び投資すれば個人で稼げる」

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――今の若い世代をどのように見ていますか。

今の20代のいいところは、自分のことに加えてグローバルな環境問題やフェアトレードの話題とか、そういった社会貢献を視野に入れていることだ。かつての若者は日本のことや身の回りのことが話題の中心だったが、今の若者は全然違う。日本国内の問題よりグローバルな話が中心。彼らの視点はいい。環境問題、例えば脱炭素なんかは根こそぎ産業や世の中が変わるインパクトの大きさ。世界のエネルギー産業と同じ規模の経済が新たに生まれるといったことが起こる、経済にとってもビッグチャンスのテーマだ。

20年後の日本人は二極化している

――今後20年間のうち、起こりうる天変地異でわれわれが見落としていることは。

1707年の宝永噴火以来起こっていない富士山の噴火。0.2ミリ程度の降灰量で視界不良になり、航空機は運航できなくなる。道路も白線が見えなくなり高速道路などが通行禁止になるだろう。鉄道もポイント故障などで運転見合わせが考えられる。つまり、ほんのわずかな灰で人の移動ができなくなる。物流もストップし食料も入ってこなくなる。また、電線の碍子(がいし)に降灰が付着すれば停電が発生、水道も水質低下で給水停止のおそれが出てくる。「粉雪のようにしんしんと降ってきたね」なんて言っている間に死に絶えてしまう。

成毛眞/なるけまこと 元日本マイクロソフト社長。設立した投資コンサルティング会社・インスパイアを2021年退任。『amazon 世界最先端の戦略がわかる』など著者多数 (撮影:今 祥雄)

――新型コロナもそうですが、日本人というのは最初ものすごく警戒するが、意外に慣れるのも早くリスクに鈍感になりやすい。日本人は20年後どうなっていると思われますか。

20年後の日本人は二極化しているだろう。将来を見越してきちんと投資して稼いでいる人と、相変わらず預金と生命保険にカネを置いて、食うに困っている人。今まではスタートアップのアントレプレナーにならないと稼げなかったが、これからはテクノロジーを勉強して投資すれば個人で稼げる時代だ。日本の歴史を振り返れば、天変地異は必ず起こる。資金を蓄え、将来のパンデミックや天変地異にいかに備えるかを考えておかないと、生き残れない。

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鈴木 雅幸 東洋経済 記者

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すずき まさゆき / Masayuki Suzuki
2001年東洋経済新報社入社。2005年『週刊東洋経済』副編集長を経て、2008年7月~2010年9月、2012年4月~9月に同誌編集長を務めた。2012年10月証券部長、2013年10月メディア編集部長、2014年10月会社四季報編集部長。2015年10月デジタルメディア局東洋経済オンライン編集部長(編集局次長兼務)。2016年10月編集局長。2019年1月会社四季報センター長、2020年10月から報道センター長。
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宇都宮 徹 東洋経済 記者

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うつのみや とおる / Toru Utsunomiya

週刊東洋経済編集長補佐。1974年生まれ。1996年専修大学経済学部卒業。『会社四季報未上場版』編集部、決算短信の担当を経て『週刊東洋経済』編集部に。連載の編集担当から大学、マクロ経済、年末年始合併号(大予測号)などの特集を担当。記者としても農薬・肥料、鉄道、工作機械、人材業界などを担当する。会社四季報プロ500副編集長、就職四季報プラスワン編集長、週刊東洋経済副編集長などを経て、2023年4月から現職。

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