成毛眞「日本人よ、自分が生き残ることを考えよ」 「テクノロジーを学び投資すれば個人で稼げる」

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『週刊東洋経済』4月26日発売号の特集は「未来を知るための読書案内」です(デザイン:dig)

――新陳代謝がはかれる、いい機会ということですか。

ダメな企業を残した結果、国債発行増で財政が大膨張し、その借金を子や孫の世代に支払わせるのはよくない。とくに外食はキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC、仕入債務から売上債権回収までの日数)がマイナスの企業もある唯一の業界。だれでも参入しやすい。長続きできるかは経営の巧拙が問われるが、開業はたやすいからダメになる企業も生まれやすい。もちろん外食だけではないが、その川上や川下の業界も含めてこの機に徹底的に新陳代謝させたほうがいい。

それができれば、日本をつくり替える大きな転換点になる。形ばかりの構造転換ではなく、経営者マインドが変化すれば、コロナを起点にして日本が変革できるだろう。リモートワークが進んだことで産業の新陳代謝が図れ、若者が「今はチャンスだ」と参入してくれれば、日本も生まれ変われる。大木や老木が倒れればそこに光が当たり、新たな芽が育っていくものだ。

「国をどうしようなんて考えるな」

――最近の日本は、株価ばかりが上がっている印象もありますが。

大企業の株価は冴えないが、中堅企業の伸び率は高く、いま絶好調だ。日経平均株価も大企業の銘柄を外して、中堅企業など成長企業を増やしていけば、4万円まで上がるだろう。

――あとがきに「国をどうしようなんて考えるな、自分が生き残ることを考えよ」と書かれています。これは若者世代へのメッセージですか。

いや、全世代に向けて言いたかった。「日本をどうにかしないといけない」と考えている人は結構いるが、そんな昭和のパラダイムは早く捨てるべき。自分が幸せになるために努力をした人が1億人いたほうが、めちゃくちゃいい国になる。日本の歴史の中で2000年間ずっと自分のためにやってきた者が歴史を作ってきた。幕末の薩長土肥だって自分のために明治維新を起こした。それが結果として国のためになっただけ。そもそも国のためにとの思いが強まったのは、日本が高度成長でうまくいき、エズラ・ヴォーゲルが『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を書いて、日本人はすごいと浮き足だったときくらいだ。

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