菅首相、初の日米首脳会談に懸ける政権の命運

「ジョー・ヨシ」会談で五輪開催への協力要請も

東京でも12日から高齢者向けのワクチン接種が始まったことに関連して、小池知事は「(ほとんどの人にとって)まん延防止等重点措置期間中はワクチンがない。新たな変異株と素手で戦っているようなものだ」と述べ、都民の自衛に頼らざるをえないのが現状だと指摘した。

確かに、「国民は自粛疲れと政府への不信感で、まん延防止といっても反応が鈍い」(感染症専門家)のが実態だ。政府のコロナ分科会の有力メンバーも、「このまま新たな対応をしなければ、関西圏に続いて連休前に首都圏に緊急事態宣言発令となりかねない」と指摘する。

その場合、期限はこれまで同様約1カ月が想定され、2020年と同様に6月近くまで緊急事態宣言が続く事態ともなりかねない。

五輪開催へ、広がる不安や疑問

そこで問題となるのが14日で残り100日を切った東京五輪開催の可否だ。3月下旬にスタートした聖火リレーは全国各地で続けられているが、愛媛県の中村時弘知事は、21日から行われる同県内での聖火リレー中止を検討していることを明らかにした。

各県の知事は対応に苦慮しているが、国際オリンピック委員会(IOC)と東京都などは、予定通りの東京五輪開催を前提に、連休前にも「観客数の制限」を決定する見通しだ。

ただ、アメリカの有力メディアは「五輪開催は日本と世界にとって一大感染イベントとなる」と警告し、感染拡大の中での五輪開催に不安や疑問の声が広がっている。

菅首相は日米首脳会談でも五輪開催への全面協力を要請するとみられるが、「それも日本の感染状況次第」(外務省筋)との不透明感は拭えない。

仮に日米首脳会談で成果を上げたとしても、帰国から1週間後には菅首相の政権運営にも大きな影響を及ぼす「4.25トリプル選挙」が控えている。自民不戦敗となる衆院北海道2区補欠選挙も含め、参院長野選挙区補選と同広島選挙区再選挙で全敗すれば、自民党内に「菅首相では選挙を戦えないことを理由とする『菅降ろし』の動き」(自民長老)が顕在化しかねない。

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