政策決定を官僚がした証拠は、これまで何もない--『政官スクラム型リーダーシップの崩壊』を書いた村松岐夫氏(京都大学名誉教授)に聞く
しかし、東大に入って司法試験を目指す学生は、落ちたら恥だとばかりに入学後すぐにロースクールに入るための勉強に取りかかるそうだ。主として法律を4年間学部で勉強した人が、ロースクールでまた4年。若いみずみずしい頭のときに、8年間も法律学に没頭する。それでできた法律家集団の人間的な質がどれだけのものか、気になるところだ。
--キャリア公務員の新人研修で話をしたとか。
従来は、ゼネラリストたるべし、だったが、スペシャリストになりなさいと話した。民間でも通用する、専門家たれと。得意の分野を持ち、活躍する。そういう時代だ。それと、一人ひとりが国際的なネットワークを持つ。そういう官僚であってほしい。
(聞き手:塚田紀史 =週刊東洋経済2010年5月1日号)
むらまつ・みちお
1940年生まれ。京都大学法学部卒業。京都大学博士(法学)。京都大学大学院法学研究科教授、学習院大学法学部教授等を経る。著書に『戦後日本の官僚制』『日本の行政』、編著に『日本の政治 変動の30年』『テキストブック 地方自治』『平成バブルの研究 上・下』、監訳に『NHKvs.日本政治』など。
『政官スクラム型リーダーシップの崩壊』 東洋経済新報社 4200円
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