アパレル人材が「スキルアップ」に目覚める必然 コロナ禍でリアル店舗の客足は急激に低下

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コロナ後は実店舗に客足が戻らない。そう覚悟するアパレル企業は少なくない。写真はイメージ(撮影:今井康一)

2月上旬、ファッション業界専門の転職支援サービス「クリーデンス」は業界で働く人向けに無料のオンライン講座を開いた。8つのセミナーには合計1600人を超す応募があった。

中でもスマートフォンを使ったインスタグラムの運用テクニックを教えるセミナーの人気が高く、282人が参加したという。以前であれば、同様のセミナーを東京や大阪で開催しても受講者は50~60人程度だった。

クリーデンスの事業責任者・河崎達哉氏は、「コロナ禍で今後のキャリアに不安を抱き、デジタルの知識や高度な接客ノウハウを習得して自身の武器を尖らせようとする販売員が増えている」と分析する。

SHIPSの副店長が抱く危機感

「SHIPS銀座店」の副店長を務める椛澤翔さんは2月のセミナーで店頭での顧客アプローチを教える回を受講した。椛澤さんはアパレル販売員として15年以上働くベテランで、業界団体の主催する接客コンテストでの受賞歴もある。

その椛澤さんでも危機感を持っている。「コロナ禍で多くのお客様はネットの世界に行ってしまった。デジタル活用には慣れない部分が多いが、スキルを身につけて時代の変化に柔軟に適応しないといけない。一方、この状況下でも店に来てくれるお客様はいる。店頭ではその人の気持ちに寄り添い、個別のニーズをくみ取って提案する力が販売員に必須のスキルになると感じている」。

アパレル不況が止まない中、SNSを活用して接客の幅を広げるとともに、店舗を訪れてくれた顧客にどれだけ役立つ提案ができるか。販売員にとって、デジタルとリアルの両面でスキルを磨くことが不可欠になっている。

東洋経済プラスの連載「アパレル人材サバイバル」では、この記事の続きを無料でお読みいただけます。連載では以下の記事も配信しています。

アパレル人材「スキルアップ」の必然 

インタビュー/アダストリア会長兼社長 

「アパレル中高年」が見切りをつけた理由

ECの「先頭集団」に学ぶ人材確保の流儀

アパレル「デジタル強化」の厳しい現実

真城 愛弓 東洋経済 記者

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まき あゆみ / Ayumi Maki

東京都出身。通信社を経て2016年東洋経済新報社入社。建設、不動産、アパレル・専門店などの業界取材を経験。2021年4月よりニュース記事などの編集を担当。

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