回転寿司の実力は「イカ」に出る! 大手回転寿司チェーン2店を食べ比べてみた【前編】

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鉄火巻きの「マグロ」を見れば、店の実力がわかる

N君:回転寿司に行ったら「鉄火巻き」のどこを見るのですか?

河岸:鉄火巻きの中の「マグロ」を見る。きちんとした店は「本物のマグロ」が入っているし、ダメな店は「ニセモノのマグロ」が入っている。

N君:「ニセモノのマグロ」というのは?

河岸:安いマグロに「植物性油」を混ぜたもの。安い赤身だけのマグロはおいしくないから、それに「植物性油」を混ぜ込んで、細かく砕いてから再度、固めるんだ。そうすると、トロっぽい味になるから。チューブで入れている店もあるけど、「ニセモノマグロ」を四角く固めてマグロの形に切ったものを使用している店が多いね。

N君:それを見抜くスキルってあるんですか?

河岸:マグロだけを取り出して、指で潰してみると、よくわかる。「本物のマグロ」は潰れないけど、「ニセモノマグロ」はぐにょっと潰れる。

違う店で使われている「マグロのたたき」のラベル。「植物油脂」を混ぜ込んでいるところがポイント。こういう「ニセモノマグロ」は、指で潰すと、ぐにょっと潰れる。外食店では、驚くほど「ニセモノマグロ」がよく使われている

N君:このA店の鉄火巻きには「本物のマグロ」がきちんと入っていますね。

河岸:これは厨房でマグロをカタマリから切って、シャリと一緒に海苔で巻いていると思う。ただ、残念なのは、切り方が雑だね。大きさがバラバラだし、端がきれいじゃない。アルバイトがやっているんだろうけど、もったいないね。

N君:鉄火巻きではなく、ふつうのマグロはどうですか? 

河岸:おいしい。きちんと切りたてを提供している。

N君:どうして切りたてとわかるんですか?

河岸:寿司に限らず、刺身の鮮度は「角(かど)」を見るの。切り口の角が立っていたら、切りたての証拠。時間が経った刺身は、角が丸っこくなっているから。

N君:なるほど、刺身の鮮度も「見た目」でわかるんですね。

河岸:あと、この店は「シャリ」がいいね。だから、おいしいし、店も繁盛しているんだね。やっぱり日本人は米が大事だから。

N君:えっ? この米のどこがポイントなんですか?

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