コロナ変異株ついに「ネズミ」も感染した不安 感染する動物種の増加が意味すること

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こうした諸条件を勘案すると、新型コロナがこれほど多くの種に感染できるというのは「極めて驚くべきことだ」とアメリカ国立アレルギー感染症研究所のウイルス専門家ヴィンセント・マンスター氏は話す。「通常、ウイルスの宿主はもっと限定されている」。

ネズミはハンタウイルスの宿主であることがわかっており、そのハンタウイルスはヒトに感染すると死亡率の高い珍しい疾患を引き起こす。新型コロナの変異株はネズミからヒトには感染しないようだが、それでもげっ歯類の間で広がって新たな変異株に進化し、再びヒトに感染する可能性はあるとマンスター氏は指摘する。

変異株はクロアシイタチのような絶滅危惧種にとって絶滅の脅威となる恐れもある。

警戒すべき、さらなる「想定外」

「このウイルスはどうやら、これまでに存在したどのウイルスよりも私たちを驚かせる能力を持っている」とマンスター氏。「私たちは慎重すぎるくらいの安全策をとらなくてはならない」。

ノースカロライナ大学のシーハン氏がヒトへの感染を懸念しているのは、ネズミよりも家畜やペットだ。

「ネズミを家の中で捕まえて抱き寄せて、ペットのネコやイヌにするように顔を近づけて同じ空気を吸い込んだりする人はまずいないだろう」とシーハン氏。「私としては(ネズミよりも)人間ともっと親密な関係にある動物のほうが心配だ」。

それでもシーハン氏を含む専門家は、今回の研究によってウイルスの急速な変化を注意深く監視する必要性が強まったと口をそろえる。シーハン氏が言う。「動く標的のようなもので、厄介このうえない。私たちにできるのは、ワクチン接種を大急ぎで進めることだけだ」。

(執筆:Apoorva Mandavilli記者)
(C)2021 The New York Times News Services

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