米新政権が米IT企業に課税の6カ国へ報復準備 年間10億ドル近い関税が上乗せされる可能性
バイデン米政権は、アマゾン・ドット・コムやフェイスブック、アルファベット傘下のグーグルなど米国のIT企業を対象にデジタルサービス税を導入した6カ国への報復関税を準備しており、年間で総額10億ドル(約1100億円)近い関税が上乗せされる可能性がある。
米通商代表部(USTR)が公表した文書によれば、オーストリア製のグランドピアノや英国製のメリーゴーラウンド、トルコ製のキリム調ラグカーペット、イタリア産アンチョビのほか、インドとスペインからの輸入品にも毎年最高25%の追加関税が課される恐れがある。
6カ国のいずれの場合も米企業からの税収見積総額にほぼ相当する追加関税をUSTRは提案しており、ブルームバーグ・ニュースの計算によれば、累計で年間8億8000万ドルに達する。USTRは報復関税案に関する意見公募を開始し、5月初めに公聴会を開催する予定。
個々の国・地域のデジタル課税に代わる国際基準の協議が経済協力開発機構(OECD)を中心に行われているが、合意には至っていない。タイUSTR代表は3月26日の声明で、米国としてOECDのプロセスにコミットするとしながらも、追加関税を含む選択肢を維持する方針を明らかにした。
アマゾンやフェイスブック、グーグルを含む会員企業で構成するインターネット協会はUSTRの動きについて、「米国がOECDにおいて実行可能な解決策を見いだす努力を継続する中で、これら差別的な通商障壁を押し返すという意味で重要だ」と歓迎した。
原題:U.S. Forges Ahead on $1 Billion Tariff Plan Over Digital Taxes(抜粋)
著者:Ana Monteiro
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら