堀江貴文「働き方改革が進んだ先に起こること」 テレワークであぶりだされる「いらない社員」

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コロナ禍で怒っている「主婦」のお客さんが多いそうだ。何に怒っているかというと、テレワークで旦那さんが「ずっと家にいる」からだ。しかも、観察してみると大して仕事をしていない。1時間も仕事していない場合もあるとか。

今までは、「通勤して喫煙所で雑談して、大して仕事はせず、飲んできていただけなんじゃないか」と憤っているそうだ。家で仕事すれば「家庭内」からも働いていない人が明確にわかってしまうのだ。

僕は「ライブドア」の社長をしているときから、いらない社員が多いのをずっと気にしてきた。苦労しながら改善してきたからこそ、断言できる。オフィスにいる「ホワイトカラーの人たちの9割は必要ない」。

ちなみに「ホワイトカラー」とは、「頭脳労働者や事務職の人」のことだ。そういう人たちの仕事の多くは、これからAIなどで代替されていく。大きなコールセンターがあっても、その仕事の多くはチャットボットで自動化できる。すでに導入しているところは、半分以上のやり取りがチャットボットだ。人間しかできないことは意外と少ないので、積み重ねればかなりの作業が「無人化」していくだろう。

まずは電話で話すことをやめる

ただ、「いらない社員」が多いとしても、すぐに改革して人々の働き方を変えるのは難しい。時間がかかるという結論に達した。だから僕は、会社を作って大きくするのはもうやめたのだ。会社を持つことにはリスクもあるからだ。

時間がかかるとは考えていたが、何らかの事件やイベントがきっかけで「いらない社員」が一気に社会に放り出されることはあるかもしれないとも考えていた。まさかの「新型コロナ騒動」がそれに当てはまってしまった。

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予言していたからこそ、放り出された人たちへ「暇つぶし」を提供するオンラインサロン「HIU」を作っていた。もちろん、遊びだけではなく「新しい仕事」も含めたアクティビティーをどんどん開発している。

「働き方改革」が進むと、「いらない社員」はどんどんあぶり出され、初期段階としては「2~3年で半分」のホワイトカラーがリストラされると予想している。働き方改革はここから一気に進んでいくので、そのために早く準備をするべきだ。

簡単にできることのひとつは「電話で話すのをやめる」こと。電話での通話はかなりの時間が奪われてしまうので「非効率」だからだ。僕自身、電話を使わないようになってから、作業効率がかなりアップしている。「仕事のフリ」や「無駄な仕事」はすぐにやめて、きちんと成果をあげよう。

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